三池信

三池信（みいけ まこと）

三池信（1901年1月12日 – 1988年2月20日）は、昭和期の政治家であり、郵政大臣を務めました。

生涯

佐賀県神埼郡三田川村（現・吉野ヶ里町）に、三池鉄一の長男として生まれました。佐賀高等学校理科甲類を経て、1926年に九州帝国大学工学部電気科を卒業後、京浜電力株式会社に入社。奈川渡発電所（長野県）所長を経て、理研特殊製鉄株式会社に移り、常務取締役となりました。終戦時は同社の羅興（現・北朝鮮咸鏡南道）工場長として朝鮮半島で迎えています。

1949年、第24回衆議院議員総選挙に吉田茂率いる民主自由党から佐賀県全県区で立候補し、初当選を果たしました。同期には池田勇人、岡崎勝男、前尾繁三郎、橋本龍伍らがいます。その後、連続12回当選。

自由民主党では、初当選同期である佐藤栄作が率いる佐藤派を経て、後に福田赳夫が率いる福田派に所属しましたが、元来「派閥解消論者」であったため、後に無派閥となり、そのまま現役を全うしました。

建設政務次官、衆議院の運輸、大蔵、内閣各委員長を歴任。1966年には引揚者団体全国連合会理事長に就任し、引揚者の在外財産補償問題の解決に尽力しました。

1972年、第1次田中角栄内閣で郵政大臣として入閣要請を受けましたが、福田派の推薦名簿を無視した人事であったため、経済企画庁長官に指名された有田喜一とともに入閣を拒否。田中角栄と福田赳夫の会談によって、内閣発足5日目にようやく入閣するという一幕もありました。

1986年、高齢を理由に衆議院議員を辞職。その後、参議院から衆議院に転じた大坪健一郎と入れ替わる形で、参議院佐賀県選挙区補欠選挙に立候補し、当選を果たしました。

在職中の1988年1月に体調を崩し、2月より入院加療。同年2月20日、肝不全のため、東京都中央区の国立がんセンターで死去しました。87歳没。当時、最年長の国会議員でした。同年3月23日の参議院本会議で、小山一平により哀悼演説が行われました。その後の補欠選挙では陣内孝雄が当選し、地盤を引き継ぎました。

人物

三池信は、戦後の混乱期から高度経済成長期にかけて、衆議院議員として日本の政治に深く関わりました。派閥に属さず、独自の政治姿勢を貫いたことでも知られています。引揚者問題の解決に尽力するなど、弱者の立場に寄り添う姿勢は、多くの人々に感銘を与えました。

三池信銅像
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