三河鉄道キ50形気動車

三河鉄道キ50形気動車の概要

三河鉄道キ50形気動車は日本の鉄道史における重要な車両の一つであり、1936年に新たに製造されました。この車両は三河鉄道によって開発されたガソリンカーであり、名古屋鉄道への吸収合併を経て、何度も改名と改番を受けています。その結果、キハ200形、サ2290形、さらにはク2290形という名前で知られるようになりました。さらには、北恵那鉄道に譲渡され、ク80形（81・82）として運用され続けました。

車両構造

キ50形気動車は、全長12メートルの2扉構造を持ち、座席はセミクロスシートが採用されています。同車はアメリカのウォーケシャ社製6SRLガソリンエンジンを搭載し、片側の台車には偏心台車（BB-75）が使用されています。この設計は、電車化（制御車化）されてからも変更されませんでした。

沿革

三河鉄道の歴史において、キ50形は1936年7月に新製された2両（51・52）から始まりました。これらの車両は、当初三河鳥羽駅 - 蒲郡駅間で運用されました。しかし、1941年に三河鉄道は名古屋鉄道に吸収され、キハ200形（201・202）と改名されました。この間、三河線、蒲郡線、西尾線で活躍し、太平洋戦争中の燃料不足の際には代用燃料装置が装着されました。

1947年には、エンジンが取り外され、車両は付随車化されサ2290形（2291・2292）に改称されました。続く1953年には制御車に改造され、再び改称されてク2290形（2291・2292）となり、この際に片運転台仕様となりました。

1963年、キ50形は北恵那鉄道に移管され、ク80形（81・82）として新たな運用が始まりました。この際、座席の設定がセミクロスシートからロングシートに変更され、81号車には新たに貫通扉が設置されました。

最終的に1978年9月18日、北恵那鉄道線が廃止されるのと同時に、キ50形も廃車となりました。その運用期間は43年に及び、さまざまな時代の変遷を見つめてきたこの車両は、鉄道ファンにとって重要なモデルとなっています。

参考文献

• - 清水武『北恵那鉄道』ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 32〉、2002年。
• - 清水武 田中義人『名古屋鉄道車両史 上巻』アルファベータブックス、2019年。

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