三河鉄道キ80形気動車

三河鉄道キ80形気動車の歴史と変遷

三河鉄道キ80形気動車は、1937年に三河鉄道が新たに製造したガソリンカーであり、そのデザインと機能性が注目されました。この気動車は、当時の流行に影響を受けた流線型の外観を持ち、2枚窓の正面と半流線型の屋根が特徴です。三河鉄道は、1936年に非電化の路線を開業し、当初はガソリンカーが必須でした。

実際、キ80形気動車は、三河鳥羽駅から三河鹿島駅、さらに蒲郡駅までを結ぶために設計されました。この路線は、東京・名古屋間の交通を支えてきた重要な役割を果たしていました。

1941年、三河鉄道は名古屋鉄道に吸収合併され、キ80形はこの際にキハ250形に改番されました。しかし、太平洋戦争の影響でガソリンが不足し、キ80形はその機能を失うことになります。具体的には、エンジンが撤去され、付随車としての役割を果たすこととなったのです。この改造により、サ2220形（2221、2222）として再生まりました。

戦後、三河鉄道の築港線で再び運用されることになり、電気機関車に牽引される客車としての機能を担うようになりました。さらに1960年には、電車化の改造を受け、ク2220形（2221、2222）として瀬戸線に転属しました。晩年には主にモ700形と共に編成を組むようになり、一時代を築きました。

しかし、1973年には600Vに対応する新たな3700系が瀬戸線に導入されると、その役目は終え、キ80形の運行は廃止されました。このように三河鉄道キ80形気動車は、開業から様々な改造や運用の変遷を経て、歴史の一片を形成していたのです。

参考文献

• - 清水武、田中義人「名古屋鉄道車両史　上巻」、アルファベータブックス、2019年4月。

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