三津浜 (松山市)

松山市の西部、かつての三津浜町域に相当する地域が「三津浜」地区と呼ばれています。古くから港町として栄え、漁業と商業を中心とした活動が盛んに行われてきました。現在もその歴史的な風情を残しており、限られた土地に多くの住宅が立ち並ぶ、人口密度の比較的高い地域となっています。

地理

松山市役所から北西へ約4キロメートル離れた場所に位置しますが、その地理的な特徴は平坦ではありません。地区の南北および東側は丘陵地に囲まれ、西側は瀬戸内海に面しています。このため、連続した広大な平野ではなく、海と丘に挟まれた独特の地形をしています。

交通

三津浜地区は、松山市の中心部から複数の交通手段でアクセスしやすい場所にあります。

鉄道

伊予鉄道高浜線 三津駅: 地区の中央部に位置し、地域の鉄道利用の中心的な役割を担っています。
四国旅客鉄道（JR四国）予讃線 三津浜駅: 地区の東部にあり、広域からのアクセスを提供しています。

路線バス

伊予鉄バスが運行しており、主な路線は以下の通りです。

三津港線: 地区西部にある三津浜港と松山市中心部を結びます。
三津ループ線: 地区内を巡回し、住民の日常生活の移動を支えています。

道路

地区には主要な道路が通っており、自動車でのアクセスや物流を支えています。

国道437号
愛媛県道19号松山港線（松山市三杉町、高山町）
愛媛県道40号松山東部環状線
その他、愛媛県道22号、183号、186号などが地区内を通っています。

渡船

三津の渡し: 地区と対岸を結ぶ渡し船として、現在も地域住民に利用されている歴史ある交通手段です。

港湾・商業・文化

地区の西部には、三津浜港や松山外港といった重要な港湾施設があり、物資の輸送や旅客フェリーの発着点として、地域の経済活動に大きく貢献しています。港と三津駅を結ぶ道沿いには「三津浜商店街」があり、かつての賑わいを今に伝える商業エリアとして機能しています。

また、三津浜地区は独自の文化も育んでいます。地元で愛される「三津浜焼き」は、お好み焼きとは異なる独特のスタイルを持つソウルフードです。伝統芸能としては、「古三津虎舞」が地域に伝承されています。歴史的には、江戸時代初期に起きた関ヶ原の戦いの局地戦の一つである「三津浜夜襲」が行われた場所としても知られています。この地区にゆかりのある人物としては、南海放送アナウンサーの江刺伯洋氏や、ショートショート作家の田丸雅智氏などがいます。

関連事項

三津浜地区に関連する事柄としては、以下のようなものがあります。

松山港: 三津浜港や松山外港を含む港湾施設全体の名称。
虎舞: 地域に伝わる伝統的な芸能、特に古三津虎舞が有名。
三津浜焼き: 地元独自の鉄板料理。
* 三津浜夜襲: 関ヶ原の戦いに関連する歴史的な出来事。

このように三津浜地区は、豊かな自然環境と歴史的な背景を持ちながら、交通の要衝としての機能や独自の文化・食文化を育んできた、魅力あふれる地域と言えるでしょう。

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