三滝駅

三滝駅（みたきえき）

三滝駅は、広島県広島市西区三滝本町二丁目に所在する、西日本旅客鉄道（JR西日本）可部線の駅です。駅にはJR-B04という駅番号が付与されています。

歴史的背景

現在の三滝駅周辺を通る可部線のルートは、過去とは大きく異なります。以前の線路は、太田川放水路（建設以前は安川または山手川と呼ばれていました）の東岸沿いに敷かれており、三滝駅もその東岸に設置されていました。当時の駅があった場所には、現在、三篠北町公園内に記念碑が建立されており、その名残を伝えています。線路が現在の位置へ移設されたのは、1962年（昭和37年）のことです。太田川放水路の建設が進められる中で、横川駅から安芸長束駅の間で線路が放水路の西岸へと付け替えられ、これに伴い三滝駅も現在の場所へと移転しました。

駅自体の歴史はさらに古く、1930年（昭和5年）10月頃に、当時の広島電気線の「大芝公園口停留場」として開業したのが始まりです。当初は旅客営業のみを行っていました。翌1931年（昭和6年）7月1日には、広島電気線が広浜鉄道に譲渡され、同社の停留場となりました。その後、1935年（昭和10年）12月1日には「大芝公園口駅」へと名称が変更されるとともに、停留場から駅へと昇格しました。1936年（昭和11年）9月1日、広浜鉄道が国有化されたことに伴い、鉄道省（後の国鉄）可部線の一部となり、この時に現在の駅名である「三滝駅」が付けられました。

1962年の現在地への移転と同時に、荷物の取り扱いが廃止されました。また、この時点から旅客営業上は無人駅扱いとなり、乗車券の販売や改札業務は車掌が行う形となりましたが、列車の運行に関わる運転取扱社員は引き続き配置されていました。1972年（昭和47年）9月1日には、国鉄の特定都区市内制度が導入され、「広島市内」の駅となりました。

国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からは西日本旅客鉄道（JR西日本）の運営となりました。1991年（平成3年）には、管轄が広島支社直轄から可部鉄道部へと変更され、同年11月1日には可部線のCTC化（列車集中制御装置）が進められたことにより、駅に配置されていた運転取扱社員がいなくなり、完全に無人駅となりました。その後の組織変更により、2006年（平成18年）7月1日には可部鉄道部が廃止され、再び広島支社の直轄に戻されています。

近年の変化としては、2007年（平成19年）7月21日にICOCA対応の簡易型自動改札機が設置され、同年9月1日からはICカード「ICOCA」の利用が可能となりました。

駅の構造

三滝駅は地上駅であり、島式ホーム1面2線を有しており、上下列車の交換が可能な構造となっています。現在も無人駅として運営されており、駅構内には自動券売機と簡易型の自動改札機が設置されています。特徴的なのは、駅舎が存在しないことで、利用客は直接、構内にある踏切を渡ってホームへとアクセスします。ホームの有効長は4両編成分です。かつてホームの広島寄りに汲み取り式のトイレがありましたが、撤去され、現在は道路側にプレハブ型の男女共用の水洗トイレが設置されています。

安全側線は設けられていませんが、線路の有効長にはやや余裕があり、物理的には4両編成を超える長さの列車同士が交換することも可能とされています。JRの特定都区市内制度においては、「広島市内」の駅に含まれています。

利用状況

広島市が発行する統計書などのデータによると、三滝駅の1日平均乗車人員は、年度によって若干の変動が見られますが、概ね安定した推移を示しています。特定の時期には微増・微減の傾向が見られることもありますが、地域住民の通勤・通学の足として、一定の利用があることが統計データから読み取れます。

駅周辺

駅のすぐ近くには、広島市内を流れる主要河川の一つである太田川が流れています。また、駅名の由来ともなっている、美しい庭園で知られる古刹、三瀧寺（三滝観音）が徒歩圏内にあります。

駅周辺にはバス停留所もあり、広島交通による路線バスが運行されています。主な停留所としては「三滝駅入口」停留所と「地蔵堂前」停留所があり、それぞれ三滝観音方面や広島駅方面へ向かうバスが発着しており、鉄道との乗り換えも可能です。

隣接する駅

西日本旅客鉄道（JR西日本） 可部線において、三滝駅の隣接駅は以下の通りです。

* 横川駅 (JR-B03) ← 三滝駅 (JR-B04) → 安芸長束駅 (JR-B05)

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