三田村四郎

三田村四郎の生涯と業績

三田村四郎（みたむら しろう、1896年 - 1964年）は、日本の労働組合活動家及び社会主義者であり、戦前の日本共産党幹部として知られています。彼の活動は、日本の労働運動や社会主義運動の成り立ちに大きな影響を与えました。

幼少期と初期の経歴

石川県金沢市に生まれた三田村は、本名を四朗といい、高等小学校を中退した後に大阪に移住しました。そこで川口商業学校に通うも再び中退し、給仕や人夫としての生活を送ります。1916年には大阪府警察部に巡査として就職しますが、自らが取り締まる社会主義思想に強く魅かれるようになり、1919年に服務規律違反で免職となります。

東京への移住と労働運動への参加

免職後、三田村は上京し、平民大学で高津正道と出会い、社会主義運動に積極的に関与するようになります。暁民会、日本社会主義同盟を経て日本労働総同盟に参加。1922年には再婚し、同年から大阪に戻って大阪印刷労働組合において執行委員としての活動を始めました。彼は労働運動を通じて、労働者の権利擁護に尽力しました。

日本共産党への参加と逮捕

1926年に再建された日本共産党に入党すると、三田村は党の中央委員として活躍します。彼は党を率いる一員として、数々の労働争議を指導しましたが、1929年の四・一六事件により逮捕されることになります。彼はその後も社会主義への信念を貫くも、1933年に転向を表明、鐘楼とした信念の変化がありました。

戦争とその後の活動

1945年の第二次世界大戦の終結時、三田村は府中刑務所内に拘禁されていました。終戦後、釈放された三田村は共産党から拒絶され、新たに山川均らとともに民主人民連盟に参加。その後は中間派の労働組合を結集して日本労働組合会議を立ち上げ、事務局長となります。反共主義が盛り上がる中で、彼は「職場防衛運動」を提唱し、労使協調を基盤とした労働運動を指導しました。

最後の年と影響

三田村はその活動を通じて、戦前の左翼的労働運動から大幅に針路を変えた人物として知られています。また、彼は民社党の母体となる民主社会主義連盟に関与し、評議員としても活躍しました。1964年、肺癌によりその生涯を終えるまで、彼の業績は日本の労働運動に多大な影響を与え続けました。彼の墓所は小平霊園にあります。

おわりに

三田村四郎の生涯は、彼が日本の労働運動や社会主義運動の中で果たした役割を通じて、当時の社会状況や人々の意識を映し出す重要な鏡となります。その功績は、現代の労働運動や社会運動にも引き継がれています。

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