三遊亭金馬 (2代目)

二代目三遊亭金馬

二代目三遊亭金馬（さんゆうてい きんば、1868年6月 - 1926年5月3日）は、日本の伝統的な落語家であり、本名は碓井米吉です。彼のキャリアは江戸出身から始まり、明治から大正時代にかけて活躍しました。

人物背景

金馬は本所亀沢町の「戸川」という盆屋で働いていたことから、「お盆屋の金馬」と呼ばれることもありました。また、本名の碓井から「碓井の金馬」とも知られていました。彼は10歳のときに両親が離婚し、一時、上総に移り住むことになったのですが、父親がその後に亡くなり、彼の若い頃の生活は都内の酒屋や盆屋での奉公を通じて形成されました。この頃から彼は天狗連や寄席に足繁く通い始め、自らも落語の道を志すようになりました。

明治20年代には、近所で公演していた奇術師・萬國斎ヘイドンの門下で「併喜」と名乗るようになります。その後、1890年ごろには初代三遊亭圓麗の息子で、当時の3代目に属する橘家小圓太の元で「太遊」という名で活動を開始しました。1895年頃には二つ目へと昇進し、その後「三遊亭圓流」と名を改め、1906年には真打に昇進し、ついに二代目三遊亭金馬を襲名します。この昇進披露は両国立花家で行われ、たくさんの客を集めました。

活動と業績

落語家としてのキャリアの中で、金馬は三遊派の若手として非常に活躍し、後に自身の分派を設立。若手の集められる団体を作ることで、落語の発展に寄与しました。また、関東大震災後は三遊睦会の設立に関与し、三遊派の復興にも尽力しました。特に初代三遊亭圓右の2代目三遊亭圓朝襲名の実現に向けて奔走し、多くの時間と労力を注ぎました。

プロデューサー的な一面も持ち合わせており、松川家妻吉や、体重が36貫（約135kg）であった芸者・旭家照吉を一座に迎え入れ、彼らの活躍を支援しました。これらの活動が彼の落語界における評価をさらに高めることになりました。

晩年と弟子たち

金馬は1925年ごろから中風を患い、高座から離れることとなりますが、1926年には3代目金馬の名跡を三遊亭圓洲に譲渡し、自身は隠居名として三遊亭金翁に改名しました。晩年には初代柳家三語楼の身内になり、弟子の柳家金語楼の紹介で落語協会に参加しました。

彼の死後も多くの弟子たちが存在し、三遊亭金遊斎、三遊亭圓満、三遊亭金勝、三遊亭市馬、三遊亭金魚、柳家金語楼など、彼の教えを受け継ぐ落語家たちが日本の伝統文化を支え続けています。

金馬の得意なネタには『笑い茸』『花見酒』『おもと違い』『死神』などがあり、彼の落語スタイルは多くの観客に愛されました。彼の墓所は青松寺で、戒名は『文山闤明居士』です。落語界における彼の存在は今でも大きな影響を与え続けています。

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