上丸子駅

上丸子駅

上丸子駅（かみまるこえき）は、かつて長野県小県郡丸子町（現・上田市）上丸子に位置していた上田丸子電鉄丸子線の駅です。1969年（昭和44年）4月20日、丸子線の廃線に伴い、その歴史に幕を閉じました。

歴史

上丸子駅は、1918年（大正7年）11月21日に丸子鉄道の駅として開業しました。当初は一般駅として、丸子鉄道大屋駅（後の電鉄大屋駅）から丸子町駅までの区間開通と共にその歩みを始めました。翌1919年（大正8年）11月20日には、駅構内の種別が停留場から停車場に昇格しました。その後、1943年（昭和18年）10月21日には交通統合により、上田丸子電鉄丸子線の駅となりました。1951年（昭和26年）7月31日には西丸子線寿町駅までの鉄道敷設免許が交付されましたが、1956年（昭和31年）8月17日にその免許は失効しました。具体的な時期は不明ですが、駅は後に無人化されました。そして、1969年（昭和44年）4月20日、丸子線の廃線と共に、上丸子駅もその役割を終えました。

駅構造

廃止時の上丸子駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。ホームは線路の西側（丸子町方面に向かって右手側）に位置していました。列車交換設備はなかったものの、側線が1線存在していました。この側線は晩年に撤去されたとされていますが、1969年（昭和44年）3月時点ではまだ残っていました。駅は無人化されていましたが、有人駅時代の駅舎が残っており、ホームの中央部分に接していました。

駅周辺

上丸子駅は、上田市の旧小県郡丸子町地区に位置し、町制施行時の領域にあった4つの駅のうちの1つでした。丸子町は1912年（大正元年）に発足し、当初は腰越、上丸子、中丸子、下丸子の4つの大字で構成されていました。開業当時、町域には丸子町駅、中丸子駅、下丸子駅（後の信濃丸子駅、丸子鐘紡駅）、そして上丸子駅の4つの駅があり、いずれも駅舎を持ち、駅員が切符を販売していました。また、上丸子駅前には1917年（大正6年）に開館した「丸子劇場」というモダンな劇場がありました。この劇場は、戦前は旅回りの一座が演じる演芸場として、戦後は「丸子映画劇場」として営業し、上丸子駅は劇場の最寄り駅として、映画公開時には多くの人々で賑わいました。劇場は駅の廃止後に解体され、ボウリング場を経て、現在は宗教団体の施設となっています。この施設が、かつて駅があった場所を特定する手がかりとなっています。

駅の西側には、上田丸子電鉄西丸子線の河原町駅がありました。また、周辺には国道152号、丸子郵便局、上田市立丸子中学校、依田川などがあります。

駅跡

2007年（平成19年）8月には、駅の遺構は確認できませんでした。2010年（平成22年）10月には、駅跡地は空き地となっていました。また、1996年（平成8年）時点では、丸子町駅から電鉄大屋駅までの線路跡は丸子町道（後に上田市道）として整備され、舗装道路となっていました。そのため、2007年（平成19年）8月時点では線路の遺構は残っていませんでした。2010年（平成22年）10月時点でも、その道路は健在です。

西丸子線連絡線計画

上田丸子電鉄は、車両運用の合理化を目指し、上丸子駅と西丸子線寿町駅を結ぶ約0.8kmの連絡線を建設する計画を立てました。この計画は、別所線と丸子線を接続する目的がありました。1951年（昭和26年）7月31日には、運輸省（現・国土交通省）から路線敷設認可が交付されましたが、用地買収が困難となり、計画は変更されました。代替案として、八日堂駅と別所線上田駅を結ぶ（八田線/八日堂線）計画が進められることになりました。上丸子駅と寿町駅を結ぶ路線の免許は、1956年（昭和31年）8月17日に失効し、計画は未完成に終わりました。

隣の駅

上田丸子電鉄

丸子線

中丸子駅 - 上丸子駅 - 丸子町駅

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