上対馬町

上対馬町の概要

上対馬町（かみつしまちょう）は、かつて長崎県対馬の北東岸に位置していた町です。2004年3月1日に周辺の町と合併し、現在の対馬市の一部となりました。対馬の最北端を含むこの地域は、豊かな自然と歴史的な背景を持つ場所でした。

地理

上対馬町は、対馬の北東部に位置し、対馬の最北端を含んでいました。この地域は、多様な地形に恵まれており、山、島、河川、港湾が入り組んだ複雑な地形を形成していました。

主な山:

オロン岳
加治我岨（かじがそね）
金山
香ノ木山
鳴滝山
樫岳
イビタ山
白岳
城岳
小白岳
天頭山
茶屋隈峠

主な島嶼:

海栗島
海老島
裸島
三つ島
高ノ島
中ノ島
鳥島
荻ノ島
品木島
志古島
東風防島
沖椎根島
地椎根島
裏島
小島
銭島
千鳥島
松島
京島

主な河川:

舟志川
琴川
芦見川
久留栖川

主な港湾:

比田勝港
小鹿漁港
一重漁港
舟志湾
泉湾
大浦湾
津和浦

歴史

上対馬町は、中世から現代に至るまで、様々な歴史的な出来事を経験してきました。

中世:

1402年（応永9年）：宗賀茂の乱
1425年（応永32年）：豊崎郡の成立
1510年（永正7年）：三浦の乱
1592年（文禄元年）：文禄の役

近現代:

1950年代から2000年代初頭にかけて、上対馬町は社会基盤の整備、産業の発展、住民福祉の向上に努めました。

1955年（昭和30年）：比田勝・下関間に定期船が就航、簡易水道の整備、一重地区で大火事が発生。
1956年（昭和31年）：上対馬町社会福祉協議会が設立。
1957年（昭和32年）：泉と琴地区に簡易水道が完成。
1958年（昭和33年）：小鹿地区に簡易水道が完成、南部漁業協同組合が発足。
1959年（昭和34年）：鰐浦地区に簡易水道が完成、海栗島の米軍基地が航空自衛隊に移管、電気昼間送電が開始。
1960年（昭和35年）：釜山・博多航路が再開。
1961年（昭和36年）：比田勝岸壁が完成、町立泉保育所が開所、上対馬町商工会が発足、琴のイチョウが長崎県の天然記念物に指定。
1962年（昭和37年）：琴へき地保育所が開所
1964年（昭和39年）：長崎県立上対馬高等学校が独立、富ヶ浦林道が開通、広報誌が発刊、対馬ロラン局が開局、上対馬町観光協会が発足、集中豪雨により比田勝川が氾濫。
1965年（昭和40年）：上対馬森林組合が発足、芦見地区に簡易水道が完成。
1966年（昭和41年）：町民運動会を開始、町章が決定、鉄筋3階建ての町役場新庁舎が完成、小鹿・比田勝間に町営渡海船が就航。
1967年（昭和42年）：河内・大浦地区に簡易水道が完成、比田勝・下関間に定期船が就航、芦見で大火事が発生、上対馬町水産種苗センターが完成。
1968年（昭和43年）：浜久須小学校を廃止、比田勝小学校に統合、豊地区に簡易水道が完成、上対馬病院の運営が移管、対馬縦貫道路が開通、比田勝・舟志間にバスの運行が開始。
1969年（昭和44年）：町立比田勝幼稚園が開園、唐舟志地区に簡易水道が完成、比田勝・下関間で定期船が増便、博多検疫所比田勝出張所が開所。
1970年（昭和45年）：町道三宇田線が完成。
1971年（昭和46年）：下関航路が小倉航路へ変更、加瀬ヶ浦地区が廃止、五根緒分校を廃止、舟志小学校に統合、集中豪雨により大被害を受ける。
1972年（昭和47年）：比田勝へき地保育所が開所、町道茂木線が開通、殿崎ヘリポートが完成、津和に対馬北部衛生センターが完成、対馬島内の農協が合併。
1973年（昭和48年）：新比田勝トンネルが開通、西泊と一重に製氷冷蔵施設が完成、小倉航路に定期船が就航。
1974年（昭和49年）：韓国貿易船第一船が入港。
1975年（昭和50年）：小倉航路に定期船が就航、加瀬ヶ浦にオメガ局が開局、邪馬台国への道の実験航海船が入港。
1976年（昭和51年）：富ヶ浦地区簡易水道が完成、玖須水源が完成し比田勝地区に送水開始、対馬消防署上対馬出張所を設置。
1977年（昭和52年）：津和分校を廃止、比田勝小学校に統合、南部地区学校給食センターが完成。
1978年（昭和53年）：第1回夏の成人式を挙行。
1979年（昭和54年）：北部地区学校給食センターが完成、町営火葬場が完成、琴住民センターが完成し町役場琴支所も移転、比田勝港ターミナルビルが完成、九州郵船フェリーが就航。
1980年（昭和55年）：舟志生活館が完成、泉地区に漁村センターが完成、町木にヒトツバタゴを指定、国民宿舎「上対馬荘」がオープン。

行政区域の変遷

1908年（明治41年）：島嶼町村制施行により、豊崎村と琴村が発足。
1948年（昭和23年）：豊崎村が町制施行し豊崎町となる。
1955年（昭和30年）：豊崎町と琴村が合併し上対馬町が発足。
2004年（平成16年）：美津島町、豊玉町、峰町、上県町、厳原町と合併し対馬市が発足。

地名

上対馬町は、以下の大字から構成されていました。

旧豊崎町

網代（あじろ）
泉（いずみ）
大浦（おおうら）
大増（おおます）
河内（かわち）
玖須（くす）
唐舟志（とうじゅうし）
冨浦（とみがうら）
豊（とよ）
西泊（にしどまり）
浜久須（はまぐす）
比田勝（ひたかつ）
古里（ふるさと）
鰐浦（わにうら）

旧琴村

芦見（あしみ）
小鹿（おしか）
琴（きん）
五根緒（ごねお）
舟志（しゅうし）
一重（ひとえ）

教育

上対馬町には、以下の教育機関がありました。

高等学校

長崎県立上対馬高等学校

中学校

上対馬町立豊中学校
上対馬町立南陽中学校
比田勝中学校

小学校

上対馬町立豊小学校
上対馬町立南陽小学校
上対馬町立比田勝小学校

交通

港湾

比田勝港：九州郵船フェリー、ジェットフォイル、大川海運フェリーなどが利用。

バス路線

対馬交通

名所・旧跡・観光スポット

上対馬町には、自然や歴史を感じられる様々な観光スポットがありました。

塔ノ首遺跡
三宇田浜
茂木浜
鳴滝公園
殿崎公園
韓国展望所
舟志川の紅葉
琴の大銀杏
網代の漣痕
鰐浦ヒトツバタゴ自生地
上対馬町歴史民俗資料館

祭事・催事

ひとつばたご祭り
おっどん祭り
もみじ祭り

参考文献

角川日本地名大辞典 42 長崎県

外部リンク

上対馬町ホームページ（2004/02/13アーカイブ） - 国立国会図書館Web Archiving Project
対馬6町合併協議会（総務省 合併デジタルアーカイブ）
対馬から来てみんね！上対馬町 ※個人サイト

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