上山博康

上山博康：脳神経外科のスペシャリスト

上山博康医師は、1948年青森県に生まれ、日本の脳神経外科医として、社会医療法人禎心会の特別顧問、禎心会脳疾患研究所の所長を務めています。旭川赤十字病院や札幌北脳神経外科などでも顧問を務めています。

幼少期から医師への道へ

幼い頃から絵が得意で、美術教師から画家になることを勧められるほどでした。しかし、高校時代には画家と飛行機を作る技術者のどちらの道に進むか悩んでいました。そんな時、週刊誌で「交通事故による脳損傷で亡くなる人が多く、優秀な脳外科医が必要だ」という記事を読んだことがきっかけで、脳外科医を目指すことを決意しました。

医師としてのキャリア

1967年に北海道大学医学部に入学、1973年に卒業後、同大学の脳神経外科学教室に入局しました。その後、旭川、釧路、美唄などの関連病院で6年間研修を積みました。旭川赤十字病院での研修中には、毎晩顕微鏡を使ってネズミの血管を縫う練習に励んだそうです。その後、函館の国立療養所に脳神経外科を新設するために赴任しました。

1980年には、秋田脳血管研究所に転勤し、伊藤善太郎医師に師事します。1982年に伊藤医師が事故で亡くなった後、1985年に北海道大学に戻り、脳神経外科助手となりました。その後、藤田医科大学の佐野公俊医師から手術の指導やアドバイスを受けるようになりました。上山医師は佐野医師を「兄弟子」と呼んでいたそうです。

旭川赤十字病院の脳神経外科部長に就任してからは、「人生を手術する」をモットーに、全国の病院で脳血管手術や脳腫瘍摘出手術を手がけました。特に、脳動脈瘤のクリッピング手術では、年間300件、累計20,000件近い手術を行い、「脳血管に関わる手術で日本一」「匠の手を持つ脳外科医」と呼ばれるようになりました。

手術器具の開発と医学書のイラスト

上山医師は、絵の才能を生かして、医学専門書の脳手術イラストや手術器具の開発にも力を注いでいます。特に、上山式ハサミは全国の脳外科医が使用しており、医学書にも脳外科手術のイラストが掲載されています。脳腫瘍手術の世界的権威である福島孝徳医師も上山医師の腕を高く評価しており、「もし自分が脳血管の手術を受けるなら上山先生にしてもらう」と発言したこともあります。福島医師が主催した脳外科医セミナーに、上山医師が講師として招かれたこともあります。

2012年4月からは、社会医療法人禎心会脳疾患研究所に開設された「上山博康脳神経外科塾」で若手脳神経外科医の育成にも力を入れており、同研究所の所長にも就任しています。

メディア出演と著書

上山医師は、数多くのテレビ番組に出演しています。

• - 主治医が見つかる診療所（テレビ東京）レギュラー
• - 仕事の流儀（NHK）
• - カンブリア宮殿（テレビ東京）
• - 人生が変わる1分間の深イイ話（日本テレビ）
• - 林修の今でしょ!講座（テレビ朝日）など多数

また、以下の書籍を出版、監修しています。

• - 『脳動脈瘤手術』（南江堂）
• - 『闘う脳外科医 全部助けたい、絶対あきらめない』（小学館）
• - 『脳血行再建術』（中外医学社）
• - 『脳動脈瘤がみつかったら』（講談社）

上山医師は、脳神経外科医として卓越した技術を持つだけでなく、若手の育成にも力を注ぎ、医療界に大きく貢献しています。趣味はフライフィッシングです。

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