上御霊前通

上御霊前通について

上御霊前通（かみごりょうまえどおり）は、京都市内において東西に架け渡る通りの一つです。この通りは東側は賀茂川の西岸堤防に接し、西側は智恵光院通に至ります。その全長は約1.9キロメートルで、京都の風情を色濃く残した歴史的な街並みが広がっています。

この通りの名前は、応仁の乱が始まった御霊神社（上御霊神社）の近くを通過することから由来しています。また、上御霊前通は北区の最南端を走る鞍馬口通のさらに北側に位置しており、上京区を東西に貫く主要な道の一つでもあります。

通りの特徴

上御霊前通は全体的に道幅が広くありませんが、通行量が少ないため静かな雰囲気が漂っています。特に新町通から大宮通にかけては、多くの寺院が集中する「寺之内」と呼ばれる地域があり、多くの人々が訪れるスポットとなっています。他の区間では小規模な商店が散在しており、市街地では住宅が立ち並ぶ風景が見られます。

通りの南側にはかつて賀茂川の水を引く水路（禁裏御用水）が流れ、寺町通の西側で南に方向を変え、その先では相国寺の境内を通って御所に至る経路が形成されていました。このため、上御霊前通の一部は2車線の広い道路となり、交通の流れもスムーズに行われています。

歴史的背景

上御霊前通に関する歴史は古く、宝暦12年（1762年）に刊行された『京町鑑』によれば、当時の上御霊前通は上御霊神社の鳥居前から水火天満宮まで伸びていたことが記されています。また、江戸時代の古地図には「天神辻子」と呼ばれる通りがあり、現在の堀川通の位置にあたる南北の道として存在していたことがわかります。この付近では、「扇の辻子」とも呼ばれる地域があり、周囲の地形を反映した名称が残っています。

明治末から大正時代にかけては、興聖寺と妙蓮寺の間の道が拡張され、通りの西端は大宮通と接続することとなりました。大正4年（1915年）の『京都坊目誌』には上御霊前通の西の終点が記録されており、その重要性が示されています。さらに、昭和初期の土地区画整理事業により通りの一部は再整備され、よりアクセスしやすい環境が整いました。

主な沿道の施設

上御霊前通には、多くの著名な施設や寺院が並んでいます。例えば、以下のような場所があります：

• - 西園寺（寺町通上御霊前上ル）
• - 上御霊神社（上御霊前通烏丸東入）
• - 妙顕寺（上御霊前通新町西入）
• - 妙覚寺（上御霊前通新町西入）
• - 本法寺（小川通上御霊前下ル）
• - 水火天満宮（堀川通上御霊前上ル）

また、学びの場として京都市立北総合支援学校や裏千家学園といった教育機関も通りに存在しています。上御霊前通は、その歴史的背景と豊かな文化遺産によって、訪れる人々にとって魅力的な散策場所と言えるでしょう。

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