上杉宗房

上杉宗房

上杉宗房（うえすぎ むねふさ）は、江戸時代中期の大名であり、出羽国米沢藩の第7代藩主。山内上杉家23代当主としても知られています。

生涯

宗房は、5代藩主・上杉吉憲の次男として生まれました。生年については、『寛政重修諸家譜』では正徳2年（1712年）生まれとされていますが、『上杉家御年譜』の享保3年（1718年）6月17日生まれという説が有力です。兄である宗憲が後継者を残さずに亡くなったため、その養子となり、享保19年（1734年）6月28日に家督を継承しました。同年12月11日には、従四位下・侍従兼民部大輔に叙任されています。藩主となる前は勝豊（かつとよ）と名乗っていましたが、藩主就任後、8代将軍・徳川吉宗から偏諱を受け、宗房と改名しました。元文元年（1736年）に初めて米沢藩に入部し、元文2年（1737年）には尾張藩7代藩主・徳川宗春の養女（松平義方の娘）である近姫と結婚しました。

宗房の時代になると、米沢藩の財政は逼迫し、年貢の未納も深刻な問題となりました。宗房は、百姓に対して元文3年（1738年）に年貢の当年分完納を条件として、7か月分の未納分の延納を許可するなどの対策を講じました。また、元文4年（1739年）には、藩士の借り上げ分の一部返済を条件とした倹約令を出し、藩財政の再建を図りましたが、その効果は限定的でした。

寛保2年（1742年）には、置賜郡3万6889石（34か村）と村山郡1万4948石（13か村）が米沢藩の預かり領となり、高畠と漆山に陣屋が設けられました。

延享3年（1746年）、宗房は後継者を指名できぬまま米沢で亡くなりました。享年29歳。墓所は米沢市内にあります。跡は同母弟である勝政（後の上杉重定）が継ぎました。

系譜

父：上杉吉憲
母：山中氏
養父：上杉宗憲
正室：近姫 - 松平義方の娘、徳川宗春の養女
養子：
男子：上杉重定 - 実弟

参考文献

『三百藩藩主人名事典一』新人物往来社
『寛政重修諸御家譜』

外部リンク

* 上杉宗房 - コトバンク

もう一度検索