上諏訪宿

上諏訪宿について

上諏訪宿（かみすわしゅく）は、甲州街道に存在する宿場の一つで、江戸から数えて44番目の宿場として知られています。現在の位置は江戸から約52里13町、さらに下諏訪から1里11町の場所にあり、国道20号線が通るほか、上諏訪駅も近くに設置されています。市街化が進んだ諏訪市ですが、この宿場町の歴史ある面影は今でも色濃く残っています。

歴史と発展

この宿場は1592年に諏訪藩主日根野高吉の手によって整備され、高島城の城下町の一部とされました。宿場の長さは約5町にわたり、『甲州道中宿村大概帳』に記録された情報によると、宿場には232軒の店舗があったとされています。本陣は唯一の小平家が世襲しており、脇本陣は設けられなかった代わりに問屋場が1軒、旅館が14軒ありました。

当初、宿場は諏訪市の中町を中心に形成され、桑原町と上町の境界地点から本町までの区域が含まれていましたが、本町は武家の屋敷が建ち並ぶため、その区域からは除外されています。その後、新たに桑原町が宿場に加わり、角間町や裏町も伝馬屋敷として利用されるようになりました。

文化と観光

上諏訪宿はまた、街道沿いに名だたる酒蔵が並んでいる地域としても知られています。「諏訪五蔵」と呼ばれる酒蔵群には、舞姫、麗人、本金、横笛、真澄などがあり、これらの酒蔵は現在も活発に活動しています。

宿場町には、歴史を感じさせる多数の史跡が存在し、訪れる人々に当時の雰囲気を伝えています。例えば、角間天神社や角間十王堂跡、正願寺などがあり、正願寺には河合曽良や新田次郎の墓もあります。また、本陣跡や手長神社、吉田の松といった名所も点在しています。その他にも、片羽一里塚跡や旧諏訪藩庭園、温泉寺（和泉式部の墓）、児玉石神社、先宮神社、寿量院、茶屋橋本屋跡、石投場跡など、歴史的な遺構が見られます。

明治天皇の小休所も宿場内にあり、歴史的背景に触れることができるスポットです。これらの史跡は、訪れる人々に宿場町の長い歴史を物語っています。

アクセス情報

上諏訪宿はJR中央本線の上諏訪駅からのアクセスが良好です。周囲には周遊するための道路や観光施設も充実しており、宿場町の雰囲気を感じながら散策することができます。歴史と文化を感じる訪問者にとっては、ぜひ訪れる価値のある場所です。

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