上野秀治

上野秀治について

上野秀治（うえの ひではる）氏は、1949年4月14日生まれの日本の歴史学者です。皇學館大学の名誉教授であり、専門は日本近世史です。旧姓は松平で、その出自からもわかるように、日本の歴史と深く関わる家系に連なっています。

人物

上野氏は、宍戸松平家の当主である松平圀秀の次男として東京都に生まれました。その後、福井松平家分家の松平永芳の養子となり、さらに北白川宮能久親王の第6王子である正雄から始まる上野家に入りました。このように、複数の名家と縁を持つことは、上野氏の歴史研究に多大な影響を与えたと考えられます。また、李王家出身の元公族である桃山虔一の娘、久美氏と結婚しています。

上野氏は学習院大学で児玉幸多氏に師事し、徳川林政史研究所や皇學館大学で研究活動を行いました。特に、大名の生活史や華族制度史を研究テーマとし、武家官位に関する研究や、皇學館大学史料編纂所に所蔵される香川敬三文書の解読に力を注ぎました。これらの研究は、日本の近世史における重要な側面を明らかにする上で、非常に重要な貢献をしています。

学歴と職歴

上野氏は、1972年に学習院大学文学部史学科を卒業後、徳川林政史研究所研究員、聖徳学園短期大学非常勤講師を経て、1977年に学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程を単位取得満期退学しました。その後、1979年に皇學館大学文学部常勤講師となり、研究者としてのキャリアを本格的にスタートさせます。1983年には徳川林政史研究所参事、1984年には皇學館大学文学部助教授、1987年には徳川林政史研究所参与を歴任しました。

1989年には学習院大学史料館客員研究員となり、1992年に皇學館大學教授に就任。1993年には名城大学法学部非常勤講師、1997年には放送大学三重地域学習センター非常勤講師も務めました。2014年には放送大学三重学習センター客員教授、2015年には皇學館大学の特別教授に就任するなど、長年にわたり教育と研究に貢献しました。

研究業績

上野氏の研究業績は多岐にわたりますが、特に注目されるのは以下の点です。

大名と武家官位の研究: 大名の生活や経済状況、武家社会における官位の役割について、詳細な研究を行っています。
華族制度史の研究: 明治維新後の華族制度の成立と変遷について、多角的な視点から分析しています。
* 香川敬三文書の解読: 皇學館大学に所蔵されている香川敬三文書の解読を通じて、幕末から明治期の政治・社会情勢を明らかにしました。

著書と論文

上野氏は、多数の著書や論文を発表しており、その研究成果は広く学界で認められています。主な著書としては、『香川敬三の研究』、『東久世通禧日記』、『平成新修旧華族家系大成』、『三重県史 資料編 近世2』、『近世の神宮と地域社会』などがあります。また、共著や監修も多数手がけています。

論文も数多く発表しており、特に『徳川林政史研究所研究紀要』や『金鯱叢書』、『史料』などに掲載された論文は、その後の研究に大きな影響を与えました。論文テーマは、大名家の経済基盤、官位制度、幕府老中の実態、華族制度など多岐にわたります。

まとめ

上野秀治氏は、日本近世史研究において、多大な貢献をしてきた歴史学者です。その研究は、単に過去の出来事を記録するだけでなく、現代社会を理解するための重要な視点を提供しています。皇族、華族の血筋を受け継ぎながら、学問の世界で卓越した業績を残した上野氏の功績は、今後も長く語り継がれるでしょう。

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