下三栖

下三栖 (しもみす)

下三栖は、和歌山県田辺市の中で位置する町丁です。2020年3月末時点で、人口は2,228人を記録しています。郵便番号は646-0216です。

地理的特徴

この地域は田辺市の中心部から見て東北東に位置し、左会津川の中流域にあたります。地理的には北は上秋津、東は中三栖や上富田町岡、南には新庄町や城山台、西側には上万呂と接しています。

基幹道路としては、和歌山県道35号上富田南部線、和歌山県道216号温川田辺線、そして田辺市道（南紀広域農道）があります。これらの道路は、城山台交差点を起点に、上富田町朝来方面および上野方面への分岐点でもあります。

下三栖は古くから梅、みかん、すももといった果樹の栽培が盛んで、農村地域としての側面を持っています。しかし、近年は宅地化が進み、人口も増加傾向にあります。特に南方に位置する岩屋谷地区には、梅加工の食品工場などが存在する下三栖企業団地が整備されています。

自然環境

地域内にはいくつかの山岳や川があります。主な山は衣笠山や高畑山で、河川としては左会津川と夏白川が流れています。これらの自然環境は地域の風景を形作り、農業が盛んな背景を支えています。

歴史的背景

下三栖の地名は、かつて熊野権現の神領であったことに由来しています。江戸時代には、牟婁郡下三栖村として存在し、紀伊続風土記によれば当時の石高は781石、戸数は99戸、人口は452人とされています。安藤氏領のもとで、紀州藩附家老の管理下におかれました。

1868年、安藤氏領は田辺藩の領地となり、1871年に田辺県の管轄となりました。その後、和歌山県に編入され、1879年には西牟婁郡に所属が変更されます。1889年、町村制の施行により、上三栖村・中三栖村・下三栖村の3村が合併し三栖村が成立しました。さらに、1956年には三栖村がいくつかの村と合併して牟婁町の一部となり、1964年に田辺市に編入されることとなりました。2000年に城山台がこの地区から独立しました。

交通の便

下三栖への交通手段にはバスがあり、龍神自動車の長野線が利用されています。この路線は紀伊田辺駅から万呂、三栖、長野を経て伏菟野へと至ります。また、地域内の主要道路である和歌山県道35号上富田南部線や和歌山県道216号温川田辺線も重要な交通手段となっています。

施設

下三栖には、歴史的な寺院や神社が点在しています。例として、三栖王子や三栖廃寺、報恩寺（善光寺）、五郎地蔵寺、中の宮神社（御簾神社下三栖拝所）があります。さらに、JA紀南総合選果場やチョーヤ梅酒紀州工場、中田食品株式会社の本社工場などの施設もあり、地域産業の発展に寄与しています。

このように、下三栖は農業や歴史、交通など多角的な側面から魅力ある地域となっています。

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