下之郷駅

下之郷駅

下之郷駅（しものごうえき）は、長野県上田市下之郷に位置する上田電鉄別所線の駅です。駅番号はBE09。別所線の中間駅では唯一の駅員配置駅であり、上田電鉄の本社が置かれています。駅構内には車両基地や留置線、変電所があり、別所線の運行を支える重要な拠点となっています。

歴史

下之郷駅は、1921年（大正10年）に上田温泉電軌の川西線の駅として開業しました。1926年（大正15年）には依田窪線（後の西丸子線）が開業し、同線の起点駅となりました。その後、路線の名称変更や合併などを経て、1969年（昭和44年）に上田交通の駅となりました。1986年（昭和61年）には車両基地・車両工場が上田原駅から移転し、2005年（平成17年）には上田電鉄の駅となり、現在に至ります。2016年には駅ナンバリングが導入されました。

また、2019年（令和元年）の台風19号による水害で千曲川橋梁が崩落し全線が一時運行休止となりましたが、当駅と別所温泉駅の間で運転を再開。その後、上田駅 - 当駅間はバスによる代行輸送、城下駅 - 当駅間で運転を再開し、全線復旧しました。

西丸子線との関わり

開業当初、下之郷駅は上田駅から直接丸子町を結ぶ路線として計画されていた西丸子線の分岐点でした。現在の駅の少し南に西丸子線ホームへのポイントがあり、上田駅から西丸子駅へは、このポイントを介して入る構造となっていました。しかし、上田丸子電鉄となってからは、上田駅から西丸子線を介して丸子町を結ぶ便は運行されなくなり、もっぱら上田原駅の電車区への回送に使われるのみとなりました。西丸子線廃止後は物置として使用され、荒れ放題となっていましたが、現在は改装され、上田電鉄直営の鉄道資料館としてイベント開催時のみ利用されています。

駅構造

下之郷駅は、島式1面2線のホームを持つ地上駅です。駅前ロータリーから構内踏切を通ってホームに入ります。ホーム上にはトイレがなく、旧西丸子線の構造物の横に設置されています。別所線の中間駅では唯一の駅員配置駅で、出札窓口で切符の販売や、ホーム出入口で降車客からの運賃収受を行っています。自動券売機も設置されています。また、当駅構内が上田電鉄の登記上の本社所在地であり、車両基地、留置線、変電所が設置され、当駅を発着する列車が始発・最終を中心に設定されています。上田電鉄で唯一の夜間滞泊設定駅でもあります。

ホーム上には、上田丸子電鉄時代からの設備を改修した駅舎があり、駅事務室と待合室があります。かつては、ホームから構内踏切を渡った場所に改札口を備えた駅舎がありましたが、西丸子線廃止後に別所線についても一時当駅での列車交換がなくなり、構内踏切が廃止されました。その後、駅員が再配置され、駅舎を解体、ホーム上の待合室を改装・増築し、現在の駅舎となりました。また、中塩田駅での列車交換・折り返しを廃止し、当駅にて列車交換・折り返しを行うことになり、ホームが島式1面2線に戻されました。

生島足島神社の最寄り駅であることから、駅舎外壁には同神社の旧斎館「報恩殿」を模した装飾塗装が施されています。旧駅舎があった場所は舗装され、駐車スペースや駐輪場となっています。

特徴

かつて二路線の分岐駅であったため駅構内は広く、資材なども置かれています。西丸子線廃止後は一旦無人駅となりましたが、西丸子線を引き継いだバスの起点となったことや、当駅にて列車交換・折り返しを行うことになった事情などにより再び駅員が配置されたという珍しい経歴を持っています。現在は、上田バスの回数券なども取り扱っています。

駅員は、切符販売などの窓口業務と降車時の運賃収受を行っています。乗車時の改札は行っておらず、ホーム出入口には乗車駅証明のための整理券発行機が設置されています。駅員が配置されているにもかかわらず、"駅員のいる無人駅"といった扱いになっています。

駅情報

所在地: 長野県上田市下之郷
駅番号: BE09
所属路線: 上田電鉄別所線
ホーム: 島式1面2線
駅員: 配置駅
その他: 上田電鉄本社所在地、車両基地、留置線、変電所

駅周辺

東塩田郵便局
生島足島神社
長福寺（信州夢殿）
社会福祉法人敬老園しものごう敬老園
上田バス「下之郷駅」停留所

隣の駅

上田電鉄別所線
大学前駅（BE08） - 下之郷駅（BE09） - 中塩田駅（BE10）

バス路線

上田バス
西丸子線：下之郷駅～東塩田小学校～富士山～（下組 ※一部の便のみ）～林間工業団地～原～御岳堂～河原町～丸子町駅
信州上田レイライン線：下之郷駅～東塩田小学校～無言館～前山寺～さくら国際高校前～別所温泉駅～別所温泉

その他、生島足島神社前バス停から松本上田直行バスが利用可能です。

参考文献

* 下之郷駅（BE9） - 上田電鉄

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