下田港

下田港について

下田港は、静岡県下田市に位置する港湾で、その管理は静岡県が行っています。この港は、避難港および地方港湾としての指定を受けており、伊豆半島の南端、石廊崎の東側に位置しています。

歴史

1854年、日米和親条約の締結により、下田港は函館港とともに日本で最初の開港場となりました。当初は貿易港としての役割も担っていましたが、地理的な条件からその機能はすぐに横浜港へと移りました。しかし、江戸時代末期からの歴史的な背景や観光資源に恵まれており、現在ではキンメダイの水揚げで有名な漁業基地として、また観光港としても重要な役割を担っています。

下田港周辺の海域は複雑な地形のため、気象や海象の変化が激しく、海難事故が多発していました。そのため、1951年に避難港として指定されることになりました。

港内には、外ヶ岡岸壁という係留施設があります。この岸壁は水深5.0m、延長79m、エプロン幅13.0mとなっています。

かつては港内に柿崎海水浴場がありましたが、利用客の減少により1997年に閉鎖されました。しかし、2022年夏には25年ぶりに試験的に再開され、2023年以降の本格的な開設を目指しています。

江戸時代から現代へ

江戸時代、下田港は江戸に向かう船舶の寄港地として大変栄えました。当時、年間3000隻もの千石船が入港していたと記録されています。

日米和親条約によって開港された後、外国船への薪炭、食料、水の補給基地となりましたが、その役割は短期間で終わりました。しかし、1933年に東京湾汽船（現在の東海汽船）の客船が就航すると、下田港は観光港として再び活気を取り戻し、1934年には開港80周年を記念して第1回黒船祭が開催されました。

第二次世界大戦中には、海軍や陸軍の部隊が配備されましたが、戦後は再び観光港として発展を遂げています。

定期航路

現在、下田港からは伊豆諸島への定期航路が運航されています。東海汽船のジェットフォイル「セブンアイランド」や、神新汽船のフェリー「フェリーあぜりあ」が利用できます。

伊豆大島航路（不定期）：東海汽船ジェットフォイル「セブンアイランド」
下田 - 利島 - 新島 - 式根島 - 神津島 - 下田 循環航路：神新汽船フェリー「フェリーあぜりあ」（曜日によって順序が変動）

観光

下田港周辺には、数多くの観光スポットやイベントがあります。

イベント

黒船祭り（5月）
あじさい祭り（6月）
下田太鼓祭り（8月）
水仙まつり（12月〜2月）

周辺の観光名所

柿崎弁天島：吉田松陰がペリーの黒船に密航を試みた場所
下田城

交通アクセス

下田港へは、伊豆急下田駅から徒歩約20分、またはタクシーで約7分でアクセスできます。

外部リンク

下田港 - 国土交通省
下田港の乗り場・駐車場 - 東海汽船
* 下田市街 - 伊豆半島ジオパーク

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