不動岩三男

不動岩 三男について

不動岩三男（ふどういわ みつお）は、1924年8月6日生まれの熊本県熊本市出身の大相撲力士です。本名は野田三男（のだ みつお）。彼は時津風部屋（入門当初は粂川部屋）に所属し、最高位は西関脇に達しました。

来歴

不動岩は熊本市で生まれた後、父親の仕事の影響で満州国新京で過ごしました。新京商業学校に進学することで様々なスポーツに親しみ、野球では一塁手を務めました。ある日、引退した相撲力士・鏡岩善四郎が彼の身体能力に目をつけ、相撲の道を勧めたことが彼の入門のきっかけとなりました。

1940年に初土俵を踏んだ不動岩は、1942年に双葉山相撲道場に移籍し、厳格な稽古の中で力をつけていきました。1944年には新入幕を果たし、翌年には関脇に昇進します。その体格は214cmに達し、当時の幕内力士の中でも特に長身であり、彼の吊り出しや上手投げは圧倒的な強さを持っていました。

相撲キャリアの展開

不動岩は1946年11月場所に関脇に昇進し、巨大な体躯を活かした取組で未来の横綱候補として期待されました。彼は速攻型の力士に対して苦戦し、身体の不調に悩まされることも多く、思うような成績を残せませんでした。やがて、坐骨神経痛に苦しみながらも1954年まで現役を続けたものの、年内最後の場所を以て引退を決断しました。しかし、彼の相撲の中には名勝負もあり、特に1945年に安藝ノ海に勝利した試合は印象深いものでした。

引退後の生活

引退後は年寄を襲名し、勝負検査役として活躍しましたが、巨体ゆえに観客の視界を遮ることが多く、すぐに桟敷主任に転任となりました。1961年には日本相撲協会を退職し、故郷熊本に戻り開発会社の監査役を務めましたが、その2年半後の1964年4月15日に39歳で亡くなりました。

特徴とエピソード

不動岩は214cmという類い稀な長身を有し、その体格を生かした技術で多くのファンを魅了しました。特に彼の得意技である吊り出しと上手投げにより、数々の名勝負を生み出しました。彼はまた、酒豪としても知られ、一度に6升の酒を軽く飲むことができたという話も残っています。

蔵前国技館では、土俵から房までの間隔が214cmに設計されており、これは不動岩の身長に影響を受けたものです。彼のキャリアには、栃錦清隆との襷反りでの一戦や、双葉山定次との交流による影響も見られました。これらのエピソードは、独自の時代背景と相まって、彼の存在を特別なものにしていました。

主な成績

• - 通算成績：187勝196敗22休
• - 勝率：.488
• - 通算幕内成績：105勝126敗15休
• - 勝率：.455
• - 現役在位：35場所
• - 幕内在位：19場所
• - 三役在位：2場所（関脇1、小結1）
• - 幕下優勝：1回（1944年1月場所）

不動岩三男の生涯は、大相撲の世界におけるさまざまな挑戦と成長の物語として、現在でも多くの人々に語り継がれています。

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