世界が終るまでは…

世界が終るまでは…：WANDSの不朽の名曲とその歴史

1994年、WANDSの8枚目のシングルとしてリリースされた「世界が終るまでは…」は、数々の記録とエピソードを刻み、日本の音楽史に名を刻む名曲となりました。この記事では、その魅力を様々な角度から紐解きます。

アニメ『SLAM DUNK|SLAM_DUNK』との出会い

まず注目すべきは、テレビ朝日系アニメ『SLAM DUNK|SLAM_DUNK』の第2期エンディングテーマに起用されたことでしょう。青春の熱気と切ないメロディーが、アニメの世界観と見事に融合し、多くの視聴者の心を掴みました。その人気は、2019年の「平成アニソン大賞」におけるアーティストソング賞受賞という栄誉にも繋がっています。

プロ野球界との不思議な縁

「世界が終るまでは…」は、プロ野球界でも愛されています。横浜DeNAベイスターズの牧秀悟選手をはじめ、過去には読売ジャイアンツの丸佳浩選手や福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大選手も登場曲として使用していました。球場に響き渡るこの楽曲は、選手たちのパフォーマンスをさらに盛り上げ、ファンにとっても特別な存在となっています。

ミュージックビデオ：羽田空港格納庫での撮影

ミュージックビデオは、羽田空港の格納庫という異色の場所で撮影されました。その印象的な映像は、後続シングルの「Secret Night 〜It's My Treat〜」の裏ジャケットにも使用されています。

記録的ヒットと上杉昇のメッセージ

「恋せよ乙女」以来となるオリコン1位を獲得し、9週間もの間トップ10にランクインするロングセラーとなりました。売上枚数は「もっと強く抱きしめたなら」、「時の扉」に次ぐ3番目の記録を樹立し、WANDSにとって最後のミリオンセラー作品となりました。

作詞を担当した上杉昇は、この曲でそれまでのラブソング路線に終止符を打ちたかったと語っています。また、「世界」というタイトルは、中山美穂&WANDSの「世界中の誰よりきっと」を意識的に避ける意図があり、「終る」という言葉には、商業音楽からの引退を示唆するメッセージが込められていたと明かしています。

ライブでの復活と新たな解釈

2011年には上杉昇のデビュー20周年記念ライブで約16年ぶりに演奏され、2012年の『Animelo Summer Live』では、織田哲郎との初共演を果たし、再びこの曲が多くの人の前で歌われました。その後も、中国でのコンサートや日本のテレビ番組で、様々なバージョンで披露され、その人気は衰えることを知りません。2019年以降は第5期WANDSでも頻繁に演奏され、2022年には「世界が終るまでは… [WANDS第5期 ver.]」としてリメイク版が配信リリースされています。このリメイクは、長年に渡るファンの要望に応える形で制作され、第5期ボーカルの上原大史やギターの柴崎浩など、メンバーの想いが込められています。また、2024年には「THE FIRST TAKE」にも出演し、一発録りのパフォーマンスを披露しています。

楽曲の構成とカップリング曲

オリジナルバージョンには、ギターのイントロがないバージョンや、上杉昇のシャウトがないバージョンが存在します。カップリング曲「Just a Lonely Boy」は、オケに効果音が加えられた独特の楽曲で、2020年には第5期バージョンが収録されたシングルも発売されました。

上杉昇によるセルフカバーと織田哲郎による新たなアレンジ

2022年には、上杉昇がセルフカバーバージョンを発表。織田哲郎がアレンジを担当し、テッド・ジェンセンによるマスタリングも施されています。このバージョンは、ライブ会場での先行発売を経て、CDとして全国販売され、新たなミュージックビデオも制作されました。2023年には東京ドームでの巨人対中日戦で、上杉昇本人がこのバージョンを歌唱しました。

収録アルバムとコンピレーションアルバム

「世界が終るまでは…」は、WANDSの多数のアルバムやベスト盤、コンピレーションアルバムに収録されています。特に『SLAM DUNK|SLAM_DUNK』関連のアルバムには欠かせない存在です。

結論

「世界が終るまでは…」は、アニメソング、プロ野球、そして音楽史に刻まれる名曲として、様々な形で人々に愛され続けています。その時代を超えた魅力は、これからも多くの人々の心を捉え続けることでしょう。

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