世界政経調査会

一般財団法人世界政経調査会について

一般財団法人世界政経調査会は、内外情勢に関する情報調査や講演会などを実施している法人です。元内閣府所管であり、その設立には特異な背景があります。

設立の経緯

世界政経調査会の前身は、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）の対敵諜報部隊（CIC）の下請け機関として設立された特務機関「河辺機関」です。河辺機関は旧軍人によって構成された情報収集グループであり、その後「睦隣会」と名称を変更しました。この睦隣会を母体として、内閣調査室のシンクタンクとして設立されたのが世界政経調査会です。そのため、設立当初の内閣調査室には、河辺機関出身者が多く流入しました。

目的と活動

世界政経調査会は、「内外の政治、経済、社会事情等の総合的な調査研究を行い、内外事情に関する知識の向上普及を図ること」を目的としています。内閣官房から情報調査委託費が交付されており、国内外の政治、経済、社会情勢に関する情報調査や資料収集を積極的に行っています。また、毎年「国際情勢の回顧と展望」と題したレポートを刊行しており、その分析は各方面から注目されています。役員には警察庁や内閣情報調査室出身の元官僚が名を連ねており、その専門性と信頼性の高さが伺えます。

主な事業

世界政経調査会は、以下の様な多岐にわたる事業を展開しています。

内外の政治、経済、社会事情、社会風潮等の分析、判断その他の調査研究及びそれに必要な資料の収集
研究会、講演会等の開催
調査研究成果に関する印刷物の刊行及び配布
その他法人の目的を達成するために必要な事業

これらの活動を通じて、国内外の情勢に関する深い知見を提供し、社会全体の知識向上に貢献しています。

設立時の主要メンバー

設立当初、世界政経調査会には以下のような旧軍関係者が深く関与していました。

河辺虎四郎（陸軍中将、陸士24期、参謀次長）
下村定（陸軍大将、陸士20期、陸軍大臣）
有末精三（陸軍中将、陸士29期、参謀本部第2部長、対連合軍陸軍連絡委員長（有末機関長））
辰巳栄一（陸軍中将、陸士27期、第12方面軍参謀長、第3師団長）
芳仲和太郎（陸軍中将、陸士27期、フランス大使館駐在員、トルコ大使館付武官、ハンガリー大使館付武官、西部軍管区参謀長兼第第16方面軍参謀長、第86師団長）
山本茂一郎（陸軍少将、陸士31期、第16軍参謀長兼ジャワ軍政監）
西郷従吾（陸軍大佐、陸士36期、オーストリア大使館付武官、大本営ドイツ班参謀、南方軍参謀、緬甸方面軍参謀、第23軍参謀、第20軍高級参謀）
萩三郎（陸軍中将、陸士29期、北部軍管区参謀長兼第5方面軍参謀長、札幌復員局長）
真田穣一郎（陸軍少将、陸士31期、大本営作戦部長、陸軍省軍務局長）
佐々木勘之丞（陸軍少将、陸士28期、陸軍中野学校学生隊長）
石戸勇一（陸軍大佐、陸士30期、太原特務機関長）
甲谷悦雄（陸軍大佐、陸士35期、参謀本部ソ連課参謀、ソ連大使館付武官輔、大本営戦争指導課長、ドイツ大使館付武官輔佐官、公安調査庁参事官、KDK研究所長）

これらのメンバーは、それぞれの専門知識と経験を活かし、調査会の活動を支えました。

関連事項

国際情勢研究所: 2011年4月、世界政経調査会と合併し、同調査会の研究部門となりました。
一般社団法人内外情勢調査会: 時事通信社の関連公益法人であり、世界政経調査会とは異なる組織です。

外部リンク

* 一般財団法人世界政経調査会)

世界政経調査会は、その設立背景から現在に至るまで、日本の情報収集・分析において重要な役割を果たしています。

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