有末精三

有末 精三（ありすえ せいぞう）の生涯

有末精三は、1895年5月22日に北海道で生まれた日本の陸軍軍人であり、最終的には陸軍中将の階級に達しました。彼の父は村長や農場支配人を務めた有末孫太郎で、早い段階から軍人としての道を歩みました。

学歴と初期の経歴

彼は上川中学、仙台陸軍地方幼年学校、中央幼年学校を経て、1917年に陸軍士官学校（29期）を優等で卒業しました。その際に受けた恩賜の銀時計は彼の優秀さを証明するものでした。卒業後は旭川の歩兵第25連隊に配属され、シベリアへの出征に参加します。1924年、陸軍大学校（36期）も優等で卒業し、恩賜の軍刀を受け取ります。このように、彼は若いころから優れた才能を発揮し続けました。

昭和初期のキャリア

1931年には、最年少で歩兵第5連隊大隊長に就任し、同年には特徴的な人物と出会いました。それは、7期先輩にあたる相沢三郎歩兵少佐です。1932年には、荒木貞夫中将が陸軍大臣に就任すると、有末は陸軍省の副官兼陸相秘書官に任命され、以降も林銑十郎陸相の下でも働き続けます。この時期には、軍の中の変化や権力構図の変動に触れる機会も多く、特に1935年には有名な相沢事件に遭遇しました。

軍務局での活動と戦後の影響

1935年に陸軍省軍務局に移り、その後の政治変動や二・二六事件において、彼は重要な役割を果たしました。戦後は公職追放を受けるものの、占領軍の情報部との関係を深め、有末は多くの軍人たちがスパイ活動に関与するきっかけを作りました。彼の働きにより、戦犯となることを回避した者も多かったと言われています。

年譜と栄典

有末精三は、以下のような重要な経歴を持っています。1917年に陸軍士官学校を卒業し、1924年には陸軍大学校を卒業。その後、いくつかの役職を経て、1945年には陸軍中将の階級に昇進しました。彼はまた、いくつかの勲章を受賞しており、特に1945年には勲二等瑞宝章を受けました。

著作と晩年

彼の著書には『有末精三回顧録』や『政治と軍事と人事 - 参謀本部第二部長の手記』などがあり、彼の経験や見解が記されています。1970年には日本郷友連盟の会長に就任し、1992年に逝去するまで、彼はその地位にありました。

家族について

有末の家族には、妻となる静枝や、弟の有末次と有末四郎がいます。甥にあたる有末賢は慶應義塾大学法学部の名誉教授として知られています。これらの家族との関係も彼の生涯において重要な役割を果たしました。

以上のように、有末精三は、日本の陸軍史において多大な影響を与えた軍人であり、その活動や著作は今もなお注目されています。

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