中国鉄道博物館

中国鉄道博物館

中国鉄道博物館は、中華人民共和国北京市朝陽区に位置する、中国最大級の鉄道博物館です。2002年11月2日に開館し、中国の鉄道史を今に伝える貴重な車両を多数展示しています。

概要

博物館は、北京市北東郊外の酒仙橋北路、試験用ループ線である「環行鉄道」のそばにあります。広大な敷地には、蒸気機関車、ディーゼル機関車、電気機関車、客車などが展示されており、そのコレクションは圧巻です。

展示施設は「東郊館」と呼ばれ、入場料は大人20人民元（2014年12月時点）です。館内には、1949年以降に中国で使用された様々な車両が展示されており、中国の鉄道技術の発展を間近に感じることができます。また、北京首都国際空港が近いため、飛行機の離着陸の様子も見られるかもしれません。

展示車両

展示車両は、中国各地で活躍した車両だけでなく、旧南満州鉄道や華北交通で使用されていた貴重な車両も含まれています。以下に主な展示車両を紹介します。

蒸気機関車

0号蒸気機関車（英国ダブス製）
FD型蒸気機関車 FD-1979 （ソ連、1939年）
工建型蒸気機関車 GJ-1019 （太原工廠、1959年11月製）
解放型蒸気機関車 JF-304“毛沢東号” （日本、1941年製）
解放型蒸気機関車 JF-1191“朱徳号” （日本、1942年製）
解放型蒸気機関車 JF-2101“国慶号” （四方機車廠、1950年製）
解放型蒸気機関車 JF-2121 （四方機車廠、1952年製）
解放型蒸気機関車 JF-4101 （太北段、1958年製）
解放6型蒸気機関車 JF6-3022 （日本、1933年製）
解放9型蒸気機関車 JF9-3673 （日本、1940年製）
解放11型蒸気機関車 JF11-3773 （アメリカ、1937年製）
解放51型蒸気機関車 JF51-738 （フランス、1926年製）
建設型蒸気機関車 JS-5001 （大連機車廠、1957年7月製）
KD5型蒸気機関車 KD5-373 （日本、1921年製）
KD55型蒸気機関車 KD55-579 （日本、1921年製）
KD7型蒸気機関車 KD7-534 （ボールドウィン、1944年製）
KF1型蒸気機関車 KF1-006 （バルカン・ファウンドリー、1936年製）
PL3型蒸気機関車 PL3-51 （日本、1935年製）
PL9型蒸気機関車 PL9-146 (ベルギー、1922年製)
前進型蒸気機関車 QJ-0001 （大連機車廠、1956年製）
前進型蒸気機関車 QJ-0004 （大連機車廠、1958年製）
前進型蒸気機関車 QJ-101 （大同機車廠、1964年製）
人民型蒸気機関車 RM-1001 （四方機車廠、1958年製）
勝利型蒸気機関車 SL-601 （四方機車廠、1956年9月）
勝利3型蒸気機関車 SL3-152 (日本、1939年製)
勝利12型蒸気機関車 SL12-890 (日本、1942年製)
SN型蒸気機関車 SN-23 （ボールドウィン、1929年製）

これらの蒸気機関車は、中国の鉄道史において重要な役割を果たした車両ばかりです。それぞれの製造年や製造国、形式を比較しながら、歴史を感じることができます。

ディーゼル機関車

北京型ディーゼル機関車 3003 （北京二七機車廠、1970年製）
東方紅2型ディーゼル機関車 0008 （資陽機車廠）
東方紅3型ディーゼル機関車 0009
東方紅5型ディーゼル機関車 0001
東風1型ディーゼル機関車 DF1301
東風4型ディーゼル機関車 DF4-0001 （大連機車廠、1973年製）
東風5型ディーゼル機関車 DF5-0007 （唐山機車廠、1977年5月製）
ND3型ディーゼル機関車 ND3-0001 （ルーマニアクライオヴァ、1984年製）
NY5型ディーゼル機関車 NY5-0003 （ヘンシェル、1966年製）

中国の鉄道近代化に貢献したディーゼル機関車も多数展示されています。様々な形式の機関車を見比べることで、技術の進歩を実感できるでしょう。

電気機関車

韶山1型電気機関車 SS1-008 （株洲電力機車、1969年製）
韶山3型電気機関車 SS3-0001 （田心電力機車、1979年製）
韶山5型電気機関車 SS5-0001 （株洲電力機車、1990年製）
韶山6型電気機関車 SS6-0002 （株洲電力機車、1991年製）
6K型電気機関車 6K-002 （川崎重工業・三菱電機、1987年製）

電化路線の拡大とともに導入された電気機関車も、その歴史と技術を伝えています。日本の川崎重工業と三菱電機が製造した6K型電気機関車も展示されているのが特徴です。

客車

テンイネ2型客車 元華北交通一等展望寝台車。戦後接収され周恩来専用列車などに使われた。

特別な歴史を持つ客車も展示されており、当時の様子を偲ぶことができます。

交通アクセス

博物館へのアクセスには、路線バスが便利です。

403路：北京站東街 - 三元橋 - 環行鉄道
516路：亮馬橋 - 環行鉄道
* 593路：地铁北苑路北站 - 環行鉄道

また、北京地下鉄13号線の望京西駅からもアクセスできますが、徒歩圏内ではありません。バスやタクシーを利用すると良いでしょう。

まとめ

中国鉄道博物館は、中国の鉄道史を深く知ることができる貴重な場所です。鉄道ファンはもちろん、そうでない人でも、その展示内容にきっと魅了されるはずです。北京を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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