中央線 (韓国)

韓国中央線：歴史と現在

中央線は、韓国鉄道公社（KORAIL）が運営する、ソウル特別市の清凉里駅から慶尚北道の牟梁駅を結ぶ主要な鉄道路線です。全長323kmに及ぶこの路線は、韓国の鉄道史において重要な役割を果たしてきました。

歴史

中央線の起源は、第二次世界大戦中に日本の主導で建設された京慶線に遡ります。当初は京釜線に代わる物資輸送路として計画され、京城（現在のソウル）と慶州を結ぶ役割を担いました。独立後、中央線は太白山脈からの無煙炭輸送を目的とした「産業線」として位置づけられ、1973年には清凉里 - 堤川間で韓国初の電化が行われました。

電化と高速化

1980年代には、電化区間を利用した韓国初の電車特急「ムグンファ号」が運行を開始し、中央線は旅客輸送の面でも重要な役割を果たすようになりました。2000年代に入ると、広域電鉄としての改良が進められ、首都圏電鉄京義・中央線の一部として、ソウル首都圏の通勤・通学を支える路線となりました。近年では、高速鉄道KTXの乗り入れも開始され、ソウルと江陵・東海を結ぶ路線の重要な一部となっています。

現在の運行

現在、中央線は清凉里駅から砥平駅までが首都圏電鉄京義・中央線の一部として運行されており、多くの区間で複線化・電化が完了しています。また、列車は牟梁駅から東海線に直通し、慶州駅まで運行されています。安東 - 慶州間ではムグンファ号が運行されており、大邱線を経由して東大邱駅まで向かう列車も存在します。

今後の展望

中央線は、韓国の鉄道網において引き続き重要な役割を担うことが期待されています。老朽化した施設の更新や、更なる高速化、電鉄区間の延伸などが計画されており、今後の発展が注目されます。

路線データ

路線距離：323.0km
軌間：1435mm
駅数：47
複々線区間：上鳳駅 - 忘憂駅
複線区間：清凉里駅 - 上鳳駅、忘憂駅 - 牟梁駅
電化区間：全線（交流25,000V）

使用車両

高速列車: KTX-イウム
一般列車
電車: 200000系 (ヌリロ、O-Train), 210000系 (ITX-セマウル)
客車: セマウル形、ムグンファ形
電気機関車: 8000形、8100形、8200形、8500形
ディーゼル機関車: 7100形、7200形、7300形、7400形、7500形、4400形
* 広域電鉄: 321000系、361000系、368000系(ITX-青春)

中央線は、その長い歴史と多様な役割を通じて、韓国の発展に貢献してきた重要な鉄道路線です。

もう一度検索