中宮職

中宮職の概要

中宮職（ちゅうぐうしき）は、日本の律令制に基づいて設置された官庁であり、主に后妃関連の事務を担当しています。この役所は、最初は全ての后妃の支援を目的に設立されましたが、後に皇后、中宮、皇太后がそれぞれ独自の役職を持つことになり、より細分化されました。これにより、太皇太后宮職、皇太后宮職、皇后宮職などの専門部署がそれぞれ設けられました。

構成

中宮職は、様々な役職から構成されています。以下に、その主要な役職と定員、位階をまとめます。

• - 中宮大夫（だいぶ）: 定員1名、位階は従四位下。
• - 中宮権大夫（ごんのだいぶ）: 定員1名、位階は従四位下。
• - 中宮亮（すけ）: 定員1名、位階は従五位下。
• - 中宮権亮（ごんのすけ）: 定員1名、位階は従五位下。
• - 中宮大進（たいじょう、または「たいしん」）: 定員1名、位階は従六位上。

中宮大進に関連して、藤原長方は正五位下の階級で、皇后宮権大進に任命されています。また、後醍醐天皇側近の多田頼貞も皇太后宮権大進に叙任されていたと考えられています。この役職の位階も従六位上であるとされます。

• - 中宮少進（しょうじょう、または「しょうしん」）: 定員2名、位階は従六位下。
• - 中宮権少進（ごんのしょうじょう、または「ごんのしょうしん」）: 定員1名、位階は従六位下。
• - 中宮大属（だいさかん、または「たいさかん」）: 定員1名、位階は正八位下。
• - 中宮少属（しょうさかん）: 定員2名、位階は従八位上。

この構成の下、中宮少属に関連して、下級職員が多く存在しています。具体的には、歴史書の記述を担う「史生」（しせい）、業務を管理する「職掌」（しきしょう）、及び各種の業務を補助する「使部」（しぶ）や「直丁」（じきちょう）がいます。また、警備に従事する「侍長」（さむらいのおさ）、及び「侍」（さむらい）といった役職も含まれており、女性の官人である「女孺」（にょじゅ）もこの体制の中で重要な役割を果たしています。このような構造は、平安時代中期に設置された令外官としての位置付けでありました。

関連項目

中宮職は、日本の官制において非常に重要な役割を担っており、その歴史的背景や組織構造は日本の古代政治の理解において欠かせない要素となっています。また、その他の官庁や機関とともに、日本の古代制度の全容を知る手がかりとなるでしょう。

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