中屋重治

中屋重治：地方行政に貢献した内務官僚

中屋重治（なかや しげはる）は、1888年2月15日に生まれ、1963年2月13日に没した日本の内務官僚です。彼は川崎市長と岩手県宮古市長を歴任し、地方行政に大きく貢献しました。

若き日の研鑽と官僚としてのスタート

福岡県出身の中屋は、1914年に京都帝国大学法科大学政治科を卒業、さらに1916年には同法律科を卒業しました。在学中に高等文官試験に合格し、官僚としての道を歩み始めます。初期のキャリアでは、島根県理事官や鹿足郡長、台湾総督府財務局事務官、台湾総督府高等商業学校教授、台湾総督府中央研究所事務官などを歴任し、幅広い行政経験を積みました。その後、新竹州警務部長、宮城県書記官・警察部長、栃木県書記官・警察部長、神奈川県書記官・警察部長といった要職を歴任し、警察行政にも深く関わりました。

川崎市長としての功績

1932年、中屋は川崎市長に選出され、1935年までその任を務めました。市長として、都市の発展に尽力し、市民生活の向上に貢献しました。その後、東京市に移り、麹町区長、北京出張所長、交通整理部長などを歴任し、首都の行政にも携わりました。また、東京電気株式会社顧問や日本電興株式会社取締役なども務め、経済界との繋がりも深めました。

戦時下の活動

1942年、中屋は陸軍司政長官・マドラ州長官に就任しました。戦時下において、占領地の行政を担うという重要な役割を果たしました。

戦後の宮古市長として

戦後、中屋は1950年に宮古市長に選出されました。戦後の復興期において、地方自治の確立に尽力し、市民生活の再建に貢献しました。

家族

中屋の父は中屋重樹で、福岡藩士・中屋重義の長男です。重樹は東京帝国大学工科大学を卒業後、陸軍工兵中尉、南満州鉄道技師を経て、内外電球、京城電気取締役を務めました。母は金沢医学専門学校教授・金子治郞の娘であるとみ。妻は安藤源五郎の孫である君子です。君子の妹の舅には西久保弘道がいます。

栄典

1943年10月9日、中屋は勲三等瑞宝章を受章しました。

中屋重治は、内務官僚として、また川崎市長、宮古市長として、日本の発展に大きく貢献しました。彼の足跡は、地方行政の歴史において重要な一頁を飾っています。

参考資料

人事興信所編『人事興信録 第14版（下）』人事興信所、1943年。
『神奈川県名鑑』横浜貿易新報社、1935年。
* 帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第3版』帝国秘密探偵社、1930年。

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