中山正善

中山正善

中山正善（なかやま しょうぜん、1905年4月23日 - 1967年11月14日）は、日本の宗教家であり、天理教の二代真柱を務めました。管長としても知られています。

生涯

中山正善は、天理教の教祖である中山みきの孫として、初代真柱である中山眞之亮とその妻・中山たまへの長男として誕生しました。1914年12月31日に父・眞之亮が亡くなったことを受け、翌1915年1月21日にわずか10歳9ヶ月で管長に就任しました。しかし、幼少であったため、実際には山澤為造が管長職務摂行者として教務を代行しました。

学歴としては、14歳で旧制天理中学校に入学し、その後、旧制大阪高等学校に進みました。1925年4月には、学生の身分でありながら正式に天理教管長に就任。同年には、後の天理大学となる天理外国語学校を設立し、自ら校長を務めました。天理大学の創立記念日が中山正善の誕生日である4月23日となっているのは、この経緯によるものです。翌年には東京帝国大学文学部宗教学宗教史学科に入学し、姉崎正治教授の指導のもと、「伝道ニツイテ」を卒業論文として1929年春に卒業しました。

卒業後は、天理教の海外布教に力を注ぎました。また、1948年には天理教の原典である「おふでさき」と「おさしづ」を、1949年には「天理教教典」を刊行し、今日の天理教学の体系を確立しました。著書には『ひとことはなし』など多数があります。1967年に逝去し、長男の中山善衞が三代真柱に就任しました。

中山正善は、天理教務者として教会本部の整備にも尽力しました。昭和普請として知られる神殿の新設や、内田祥三、奥村音造とともに考案した「おやさとやかた構想」は現在も継続されており、その影響は非常に大きいと言えます。特に、「天理よろづ相談所」に付属する憩の家と天理よろづ相談所病院の設置は、奈良県内でも有数の総合病院として知られています。

また、稀代の蒐集家としても知られており、貴重な書籍を集めた天理大学附属天理図書館や、博物館である天理大学附属天理参考館を設立しました。さらに、スポーツ、特に柔道、水泳、ラグビーに力を入れた人物としても知られています。ラグビーにおいては、高校には白、大学には黒のジャージーを寄贈し、天理高校ラグビー部が「白い巨人」と呼ばれるようになったのは有名なエピソードです。

著書

『ひとことはなし』
『アメリカ百日記』
『陽気ぐらし』
『こふきの研究』
『おふでさき概説』
『天理教教典講話』
『火水風』
『北報南告』
『六十年の道草』
『道具衆』
『大和：わがふるさとの･･･』
『第16回教義講習会第1次講習録抜粋』
『「神」「月日」及び「をや」について』
『右往左往』
『柿』
『たねまき飛行』
『おつとめ』
『上海から北平へ』
『天理教伝道者に関する調査』
『寧滬土産』

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