中島賢蔵

中島賢蔵は、1904年（明治37年）11月5日に東京府で生まれ、1968年（昭和43年）8月11日に生涯を閉じました。彼は内務官僚、そして政治家として、日本の地方行政に大きな足跡を残しました。

生い立ちと官僚としてのキャリア

中島賢蔵は、中島浅次郎の長男として生まれ、名門の第一高等学校を卒業後、1927年（昭和2年）に高等試験行政科試験に合格しました。翌1928年（昭和3年）には、東京帝国大学法学部政治学科を卒業し、内務省に入省。埼玉県属としてキャリアをスタートさせました。

その後、内務省大臣官房文書課勤務、秋田県事務官、内務省地方局事務官、内閣調査局調査官、企画院書記官、奈良県書記官・経済部長、厚生省住宅課長、内務省地方局行政課長、同大臣官房会計課長など、数々の要職を歴任しました。これらの経験を通じて、彼は地方行政に関する深い知識と卓越した実務能力を培いました。

山梨県知事としての活躍

1945年（昭和20年）4月、中島賢蔵は山梨県知事に就任しました。当時、日本は第二次世界大戦末期であり、山梨県も戦災の影響を受けていました。中島知事は、その対応に尽力し、終戦を迎えました。終戦直後の混乱期において、県民の生活を立て直すために、彼はリーダーシップを発揮し、復興に力を注ぎました。

同年10月、東京都計画局長に転任しましたが、1946年（昭和21年）に退官。その後、公職追放の対象となりました。しかし、彼の行政手腕は高く評価されており、その後の政治活動につながっていきます。

天理市長としての転身

公職追放解除後、中島賢蔵は1952年（昭和27年）の第25回衆議院議員総選挙に奈良県全県区から自由党公認で出馬しましたが、惜しくも次点で落選しました。

その後、1954年（昭和29年）5月20日、中島賢蔵は天理市長に無投票で当選し、同日、市長に就任しました。天理市長として、彼は市民生活の向上や地域発展のために尽力しました。1958年（昭和33年）4月19日に市長を退任しましたが、その後の地域社会への貢献は大きく評価されています。

その後の政治活動

天理市長退任後、中島賢蔵は1958年（昭和33年）の第28回衆議院議員総選挙にも奈良県全県区から自由民主党公認で出馬しましたが、再び落選しました。その後、北海道副知事に就任し、地方行政に携わりました。

中島賢蔵の趣味は、スポーツ、映画、演劇と多岐にわたり、彼の多才な一面を物語っています。彼は、地方行政の専門家として、また、政治家として、激動の時代を生き抜き、日本の復興と発展に貢献した人物として、その名を歴史に刻んでいます。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

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