中御所

長野市中御所地区の詳細解説

長野市中御所地区は、市街地の南西部に位置し、複数の町丁と大字で構成されています。具体的には、住居表示が実施された中御所一丁目から五丁目、中御所町四丁目、そして大字中御所（通称：岡田町）が含まれます。

地理と概要

この地域は、長野駅の北西と南西に広がり、西側を裾花川、南側を犀川が流れる自然豊かな環境にあります。地区の中央部には県庁通りが南北に走り、東部には旧北国街道である荒木通りが通っています。また、信越本線が東西に横断しており、交通の要所としての役割も担っています。

歴史的背景

中御所の地名は、鎌倉時代に現在の二丁目に存在した信濃国国衙の守護所「中御所」に由来します。この地は、源頼朝が善光寺参詣の際に滞在した場所とも伝えられています。同様の由来を持つ地名として、問御所町も存在します。1938年（昭和13年）には、信越本線より南側の地域が中御所町として再編され、1988年（昭和63年）には住居表示が実施され、現在の中御所一丁目から五丁目が誕生しました。その結果、中御所交差点の一角には、中御所町四丁目として旧町名が残る形となりました。

沿革

中御所地区は、1879年（明治12年）頃の上水内郡中御所村の範囲におおむね相当します。以下に、中御所地区の主な歴史的出来事をまとめます。

鎌倉時代: 信濃国国衙の守護所「中御所」が置かれる。
江戸時代: 中之御所村として松代藩と椎谷藩の領地が混在。
1878年（明治11年）: 県庁通りが開通し、地域を南北に縦断。
1879年（明治12年）: 上水内郡中御所村となる。
1888年（明治21年）: 信越本線が開通し、地域を東西に横断。
1889年（明治22年）: 周辺の村と合併し、上水内郡芹田村となる。
1923年（大正12年）: 長野市に編入され、大字中御所となる。
1935年（昭和10年）: 県庁通りと信越本線の交点にみすず橋が架けられる。
1936年（昭和11年）: 善光寺白馬電鉄線が開通（後に廃止）。
1938年（昭和13年）: 町名整理が行われ、中御所町一丁目から四丁目が誕生。
1947年（昭和22年）: 昭和天皇が戦後巡幸で中御所を訪問。
1988年（昭和63年）: 住居表示が実施され、中御所一丁目から五丁目が成立。
1997年（平成9年）: 長野新幹線が開通。
1998年（平成10年）: 都市計画道路駅南幹線が開通し、分断されていた地域が再び連結。
2022年（令和4年）: 住居表示の変更により、中御所二丁目の境界が一部変更。

中御所（住居表示施行地区）

中御所一丁目から五丁目は、長野駅の南西に位置し、それぞれ特徴があります。

一丁目: 駅に近いながらも静かな住宅街で、オフィスビルも多い。
二丁目〜五丁目: 主に住宅街で、三丁目には中小の工場も存在します。

交通

地区内では、アルピコ交通（川中島バス）の路線バスが利用できます。特に県庁通り沿いには多くの路線が運行しています。

主な施設

中御所地区には、神社、寺院、学校、公共施設、企業など、多様な施設が存在します。

中御所一丁目: 柳原神社、JR関連施設、長野美術専門学校、南長野駅跡、長野労働局など。
中御所二丁目: 御所天満宮、八幡神社、観音寺、御所遺跡。
中御所三丁目: ハローワーク長野、大日本法令印刷本社、長野理容美容専門学校。
中御所四丁目: 特筆すべき施設なし
中御所五丁目: 甲信マツダ本社、在長野各名誉領事館、長野市立裾花小学校。
中御所町四丁目: 長野日産自動車 中御所店
岡田町: 長野県長野保健所、長野市立山王小学校、善光寺白馬電鉄山王駅跡、長野放送本社、JAながの本所、長野バスターミナル、八十二銀行本店など。

中御所町四丁目

中御所町四丁目は、長野駅の西に位置する町で、住居表示の変更により一区画のみが残った特殊な町です。公共交通機関は町内にはありませんが、近隣のバスターミナルが利用できます。

岡田町

岡田町は、長野県庁の南に位置し、大字中御所に属する町（通称名）です。住所表示では大字を省略することが多いですが、登記には大字と小字が用いられます。長野バスターミナルがあり、交通の便が良い地域です。

まとめ

長野市中御所地区は、歴史と現代が融合した地域であり、交通の要所として、また住宅地、商業地として、多様な顔を持つエリアです。長野市を訪れる際は、ぜひこの地区の歴史と文化に触れてみてください。

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