中朝友誼橋

中朝友誼橋について

中朝友誼橋（ちゅうちょうゆうぎきょう）は、中国・遼寧省の丹東市と北朝鮮・平安北道の新義州市を結ぶ橋で、鴨緑江に架かっています。全体の長さは946.2メートルで、上下に鉄道と道路が併用される構造です。この橋は1990年10月に中朝両国の合意により現在の名称に改称され、他にも鴨緑江大橋や鴨緑江鉄橋といった呼称も持ちます。アジアハイウェイ1号線の一部でもあり、地域の交通の要所となっています。

橋の構造と利用状況

この橋は、道路と単線の鉄道が通行しており、公式な出入国書類（パスポートやビザ）を持つ旅行者は自動車や列車を使って国境を越えることが可能です。ただし、橋を歩行者が渡ることは原則としてできず、専用のタクシーを利用する必要があります。

中朝友誼橋を通る旅客列車は、北京と平壌を結ぶ国際列車（列車番号K27/K28）や丹東と平壌を結ぶ便が毎日運行されており、朝鮮行きの列車は朝発、中国行きの列車は夕方発です。一方で、貨物列車も同様に毎日運行されています。運行時間は所要10分とされていますが、入国審査や税関検査のために丹東・新義州駅では長時間の停車が求められることもあります。

両国間の税関では行商人や旅行者向けに特別な乗り合いタクシーが運行されており、一般の旅行者でも利用が可能です。国境は特別な事情がない限り、国慶節や旧正月の時期でも完全に閉鎖されることはなく、通常は中国の標準時に合わせた8時から17時まで営業しています。

歴史的背景

中朝友誼橋の前身は、1909年に着工された鴨緑江橋梁です。この橋は、当時満洲にあったため清国の理解を得ることが難しく、韓国側から秘密裏に工事が進められました。1911年に完成したこの橋は、もともと日本の関与があったため、ジャパン法律に基づく、清国との覚書が不十分でした。その結果、開通式が行われた際には京義線と南満洲鉄道が接続されることになりました。しかし、朝鮮戦争ではアメリカ軍による爆撃を受け、以降は修復されることがなく、現在はプロパガンダの一環として残っています。

その後、1943年には第二の橋梁である鴨緑江第二橋梁が建設されましたが、こちらも朝鮮戦争中にアメリカの爆撃を受けて被害を受けました。それでも修復されて鴨緑江大橋として知られるようになります。

最近の動きとしては、2010年12月から新しい鴨緑江大橋の建設が始まっていますが、中朝関係の影響で工事進捗は停滞しています。2022年までの間、COVID-19の影響で中朝友誼橋の利用は一度も行われなくなり、2年間にわたって国境が実質的に閉鎖されていました。

結論

中朝友誼橋は、歴史的背景を持つ重要な交通路としてだけでなく、国際関係や交流の象徴でもあります。今後の国境の状況や新たな橋の建設の進展が注目されます。

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