新義州市

新義州市（シニジュし）徹底解説：国境都市の歴史、地理、文化、観光

新義州市は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の平安北道の道都であり、鴨緑江を挟んで中華人民共和国の丹東市と向かい合う国境の街として知られています。人口は約29万人。中朝友好橋が架かり、中朝交通の要衝となっています。

地理

新義州市は、西は黄海に面し、東北に義州郡、東に枇峴郡、南は龍川郡と接しています。北は鴨緑江を挟んで中国遼寧省丹東市と位置しており、地理的に重要な場所にあります。

気候

新義州市の気候は寒冷であり、1月の平均気温は-6.6度、8月の平均気温は24.2度です。年間を通して寒暖差が大きいのが特徴です。

行政区画

新義州市は、49の洞と9つの里を管轄しています。これらの行政区画は、市の発展とともに変遷を遂げてきました。

歴史

新義州市は、その名の通り「新しい義州」として、1906年に京義線が開通した際に建設された新義州駅を中心に発展した街です。1911年には鴨緑江鉄橋が開通し、対岸の中国・安東県（現：丹東市）と結ばれました。1921年には、義州にあった平安北道の道庁が新義州に移転し、政治・行政の中心地としての地位を確立しました。

朝鮮戦争では数回の空爆で破壊されましたが、戦後に復興を遂げました。2002年には、市域の一部が新義州特別行政区に指定されましたが、目立った成果は上がっていません。

年表

1905年：京義線が開通。
1906年：新義州理事庁が設置。
1911年：鴨緑江鉄橋が開通。
1914年：新義州府となる。
1921年：平安北道庁が新義州に移転。
1947年：新義州府が新義州市に改称。
1952年12月：郡面里統廃合により新義州市を設置。
2002年9月12日：市域の一部が新義州特別行政区に指定。

産業

新義州市は、化学工業や機械工業が盛んです。また、化学兵器製造工場もあるとされています。日本統治時代には、王子製紙の工場がありました。

交通

平義線（京義線）の終点であり、北京への国際列車K27/28次列車の経由駅である新義州青年駅があります。鉄道は、新義州青年駅の先で鴨緑江の鉄橋（中朝友誼橋）を渡り、中国の遼寧省・丹東市へと繋がっています。

鉄道

平義線：楽元駅 - 南新義州駅 - 新義州青年駅
江岸線：新義州青年駅 - 江岸駅
白馬線：石下駅 - 南新義州駅
徳峴線：南新義州駅 - 正門里駅
石下里線：石下駅 - 石下里駅

郊外には義州飛行場および新義州飛行場が存在しますが、後者は専らヘリポートとして用いられています。

文化・観光

中朝友誼橋：中朝友誼橋のたもとに遊園地があります。
威化島

近年は中国人の新義州への日帰り観光が盛んに行われています。日本人は新義州単独での観光は許可されていませんが、先に平壌を訪れた帰路であれば下車して滞在、観光することができます（ただし日朝間では国交正常化が実現していません）。

新義州市出身の著名人

孫基禎：マラソン選手（1912年生まれ）
* 古山高麗雄：作家（1920年生まれ）

新義州市は、国境の街としての歴史と、独自の文化を持つ都市です。今後の発展が期待されます。

もう一度検索