中村ブン

中村ブン - 多彩な才能を持つ俳優、シンガーソングライター

中村ブン（なかむら ぶん）氏は、1950年2月10日生まれの日本の俳優、シンガーソングライターです。福島県白河市出身で、本名は中村俊男。旧芸名も同名でした。生年は1948年とする資料も見られます。

輝かしいキャリアの始まりと転機

攻玉社商業高等学校卒業後、劇団日本児童や東京小劇場を経て、ゼロ音楽、テアトル・ド・ポッシュに所属しました。俳優としてのキャリアは、東映制作のテレビドラマ『柔道一直線』でのデビューに始まります。その後、数多くのテレビドラマや映画に出演し、幅広い役柄を演じ分ける実力派俳優として活躍しました。

当初は本名の中村俊男で活動していましたが、俳優の中村雅俊氏と間違えられた経験から改名を決意。自ら出演したテレビドラマ『たんぽぽ』の役名「文吉（ぶんきち）」にヒントを得て、「日本国内に無さそうな名前」として「中村ブン」という芸名を名乗るようになったそうです。このエピソードは、彼のユーモラスな一面を垣間見せています。

音楽活動と作詞作曲の才能

俳優としての活動以外に、特筆すべきは彼の音楽活動です。作詞、作曲の才能にも恵まれ、シングル曲「かあさんの下駄」はNHKラジオやニッポン放送で紹介され、大きな反響を呼び、2007年には再リリースされるほどの人気となりました。また、彼が制作した『欽ちゃんのどこまでやるの!?』のテーマ曲「想い出して下さい」は、1990年度から中学3年生の音楽教科書に採用されるなど、教育現場にも貢献しています。さらに、多くの校歌や応援歌の作詞・作曲も手掛けており、その活動は多岐に渡ります。

特撮作品への出演と秘話

特撮作品への出演も多数あります。『ミラーマン兄弟』では当初ミラーレッド/鏡拓也役として内定していたものの、別の役柄に変わったというエピソードや、『ジャンボーグA』では風間一平役として出演。さらに、『ウルトラマンAGE』のインタビューでは、『ジャンボーグA』出演に際して、当初は立花ナオキ役として衣装合わせまで済ませていたものの、クランクイン直前にスポンサー対策で立花直樹に変更されたという裏話を明かしています。これらのエピソードからも、彼の長年に渡る芸能活動における様々な経験が伺えます。

豊富な出演歴

中村ブン氏は、数多くのテレビドラマ、映画、バラエティ番組に出演しました。以下に、その一部を紹介します。

テレビドラマ:

『柔道一直線』
『プレイガール』
『おくさまは18歳』
『天下御免』
『超人バロム・1』
『だから大好き!』
『飛び出せ!青春』
『青春をつっ走れ!』
『変身忍者 嵐』
『どっこい大作』
『ジャンボーグA』
『太陽にほえろ!』
『特別機動捜査隊』
『バーディー大作戦』
『高校教師』
『非情のライセンス』
『白い牙』
『プレイガールQ』
『破れ傘刀舟悪人狩り』
『痛快!河内山宗俊』
『俺たちの勲章』
『たんぽぽ』
『天下一大物伝』
『Gメン'75』
『少年ドラマシリーズ / 11人いる!』
『江戸特捜指令』
『噂の刑事トミーとマツ』
『特捜最前線』
『必殺仕事人』
『文吾捕物帳』
『大江戸捜査網』
『月曜スター劇場 / 源さん』
『世界忍者戦ジライヤ』

映画:

『激走! 若大将』
『白熱デッドヒート』
『ドカベン』
『仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王』

バラエティ:

『欽ちゃんの週刊欽曜日』
* 『NHK歌謡コンサート』

その他の活動

さらに、彼は自身の楽曲の発表にとどまらず、他アーティストへの楽曲提供も行っています。イルカ、サンドイッチ、内藤やす子、フランキー堺、山本伸吾など、錚々たるアーティストに楽曲を提供していることがわかります。また、『風の中の天使たち 僕らの甲子園』、『かあさんの下駄』、『ぼけ経』老いの応援歌』などの著書も発表しています。

漫画家石ノ森章太郎氏との関わりも深いことは注目に値します。石ノ森氏の作品『Knight and Day』には、中村ブン氏をモデルにした人物が登場し、『かあさんの下駄』が演奏される場面があります。また、『かあさんの下駄』のレコードジャケットは石ノ森氏が担当しているほか、「花泥棒に行きましたね」という楽曲を石ノ森氏が漫画化しているなど、両氏の関係は多岐に渡っています。

中村ブン氏は、俳優、シンガーソングライター、作詞家、作曲家としての顔を持ち、多方面で才能を発揮する稀有な存在です。彼の今後の活躍にも期待がかかります。

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