久島海啓太

久島海 啓太の生涯と成績

久島海 啓太（くしまうみ けいた、1965年8月6日 - 2012年2月13日）は、和歌山県新宮市出身の元大相撲力士で、本名は久嶋 啓太です。身長187cm、体重204kgを誇り、得意手は右四つや寄り、極め出し、小手投げです。彼の最高位は東前頭筆頭でした。

生い立ちと相撲の道

久島海は、新宮市で靴製造販売業を営む家庭に生まれ、幼少期から父親の影響で相撲に親しみます。小学校では卓球や陸上に、中学校ではバスケットボールを行っていた彼が、和歌山県立新宮高等学校に進学すると、186cm・160kgの堂々とした体格で相撲部に入部しました。彼は、3年連続で全国高等学校相撲選手権大会を優勝し、さらに高校3年時には全日本相撲選手権でも優勝を果たし、アマチュア横綱の称号を獲得しました。しかし、教員を志望し、プロ入りはせずに日本大学へ進学します。

大学でも活躍し、アマチュアで28冠を達成しましたが、卒業間近に教員志望を断念し、1988年1月に出羽海部屋に入門。幕下付出として初土俵を踏みます。デビューから7場所連続で勝ち越し、1989年には新十両に昇進し、四股名を「久島海」と改名しました。初の十両優勝を果たし、次第に注目を集める存在となりました。

現役時代の苦難

学生時代の実績に反し、現役では腰の高い姿勢と脇の甘さから負傷が多く、三役への昇進は果たせませんでした。1993年3月場所では、旭道山戦での痛い負傷が影響し、負け越しとなるなど、番付運にも恵まれず苦しみました。1998年には優勝決定戦に進むなどの好成績も残しましたが、その後は健康の問題から晩年にかけて数回の大怪我を経験します。

引退後の活動と健康管理

引退後は田子ノ浦部屋の親方となり、部屋を持つようになりますが、2003年には急性心筋梗塞で緊急入院します。命に別状はなかったものの、彼はその後80kg以上の減量に成功し、料理にも目覚めました。料理雑誌での連載を持つなど、多彩な才能を発揮しました。妻の著書も、彼の健康管理に影響を与えるものとなりました。

死去とその後

2012年2月、部屋で家族と過ごしている際に急に昏倒し、心肺停止の状態で病院に運ばれましたが、そのまま回復せず死去しました。死因は虚血性心不全とされ、年46歳での早逝に、相撲界は深い悲しみに包まれました。彼が築いた田子ノ浦部屋は、その後閉鎖する運命となり、所属力士は他部屋へ移籍することとなりました。

人柄とエピソード

久島海は、現役時代から頑固で偏屈な一面があったとも言われ、自らの弟子を他の部屋の力士と慣れ合わせることを嫌う一方、冷静で人間味に富んだ指導者としても知られています。アマチュア時代の実績から、若手力士たちの格好の攻撃対象とされることもありましたが、兄貴分的な存在でもありました。彼のエピソードには、相撲を通じた多くの人との繋がりや感動的な出会いが残っています。

結論

久島海の一生は、相撲界における華やかな経歴と苦難の物語の両面を持っています。その記憶は今も多くの人々の心に残り、大相撲における彼の貢献はいつまでも称えられることでしょう。

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