久野重勝

久野重勝の生涯

久野重勝（ひさの しげかつ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した日本の武将です。彼は黒田氏の家臣としてその名を馳せ、黒田二十四騎の一人として知られています。彼の曽孫には、筑前国福岡藩の大老を務めた黒田一貫がいます。

幼少期と家族

久野重勝は、天文14年（1545年）、播磨国の金釣瓶城主である久野重誠の子供として生まれました。重勝の幼少期には、三木城主の別所安治の攻撃に遭遇し、家族とともに小寺則職を頼る形で御着へと移住することになりました。このような環境下で、重勝は厳しい戦国時代の中で成長していきます。

武将としての活動

彼の軍歴は、永禄12年（1569年）に始まります。父・重誠と共に黒田職隆に仕官し、青山・土器山の戦いでは先頭に立ちました。この戦闘で父が重傷を負ったため、重勝は家督を継承し、武将としての責任を負うことになります。

その後、重勝は天正5年（1577年）から様々な戦闘に参加し、英賀合戦、高倉山城攻め、上月城攻めで戦功をあげます。天正6年（1578年）には既に家老に昇進しており、黒田孝高が有岡城に幽閉されている間も忠誠を尽くしました。

重勝はその後も数々の戦いに参加し、天正8年（1580年）の三木合戦や天正9年（1581年）の長水山城攻め、天正10年（1582年）の山崎の戦い、さらには天正11年（1583年）の賤ヶ岳の戦いまで、黒田孝高に従い戦功を重ねていきます。

九州平定とその後

天正14年（1586年）から始まった九州平定の際は、孝高に従って豊前国や筑前国に渡り、小倉城、宇留津城、高祖城などを攻めました。特に高祖城攻めにおいては、騎乗した鴾毛の馬にまたがり、敵城の主を驚かせて降伏を引き出したと言われています。これにより、豊臣秀吉も彼の勇敢さを称賛しました。

戦後、博多の復興に尽力し、天正15年（1587年）には国人一揆の鎮圧に向かい、大畑城攻めでは新納外記を討倒しました。翌年、重勝には6,000石の領地が与えられ、その後も小田原征伐や名護屋城築城に貢献します。

最期の戦いと遺産

天正20年（1592年）には文禄の役で朝鮮へ渡り、平壌城の戦いに参加しましたが、負傷し、その傷が悪化したため、翌日には亡くなります。享年は48歳でした。

重勝の死後も彼の名は、日本の歴史に残ります。2014年には、彼が豊臣秀吉から拝領したとされる日本国内最古級のそろばんが発見されたことでも注目を浴びました。このそろばんは、大阪の老舗そろばんメーカー「雲州堂」が保管しており、地域の歴史に新たな光を当てるものとなっています。

久野重勝の生涯は、忠義と武勇を兼ね備えた武将として、戦国時代の日本における重要な人物として位置付けられています。彼の行動や功績は、後世にも影響を与え続けています。

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