九州商船

九州商船株式会社

九州商船株式会社は、長崎県長崎市に本社を構える日本の海運会社です。フェリーと高速船を運航し、長崎県を中心とした島嶼部と本土を結ぶ重要な役割を担っています。

歴史

1911年（明治44年）に九州汽船として設立されたのが始まりです。その後、1928年（昭和3年）に現在の九州商船へと社名を変更しました。戦後の1949年（昭和24年）には、所有する「北松丸」が昭和天皇のお召船として使用されたという記録も残っています。

1970年代には、五島航路で濃霧による船舶事故が発生し、安全対策の強化が行われました。1982年（昭和57年）には全航路でカーフェリーの運航を開始、1990年（平成2年）には長崎・五島航路にジェットフォイルが就航し、高速化も進められました。1993年（平成5年）には、熊本・島原間のフェリー航路も開設されました。

2000年代に入ると、2004年（平成16年）に鹿児島・種子島航路から撤退。2005年（平成17年）には「フェリーなるしお」が宇久平港で防波堤に衝突する事故が発生しました。その後、2011年（平成23年）には新造船に対する国の交付金を活用した運賃割引を実施し、2017年（平成29年）には労働組合との間でストライキが発生するなど、様々な出来事を経て現在に至ります。

航路

九州商船は、長崎市・佐世保市と五島列島を結ぶ航路、および島原湾内の航路を運航しています。長崎・五島航路にはジェットフォイルが就航し、佐世保・上五島航路には高速船が就航しています。過去には鹿児島・種子島航路も存在しましたが、2004年に撤退しました。

長崎・五島航路

フェリー：福江港 - 奈良尾港 - 長崎港、長崎港 - 福江港 - 奈留島港 - 奈良尾港 - 長崎港など、複数の航路が1日1便ずつ運航されています。船舶のドック入りの際には運航ダイヤが変更になります。
高速船：長崎港 - 福江港 - 奈良尾港 - 長崎港の航路が1日3往復以上運航されています。多客期には増便も行われます。

長崎・有川航路

高速船：長崎港 - 有川港間で1日3往復運航されています。

佐世保・上五島航路

フェリー：佐世保港 - 有川港、佐世保港 - 宇久島 - 小値賀島の航路が1日2便ずつ運航されています。ドック入りの際には運航ダイヤが変更になります。
高速船：宇久島 - 小値賀島 - 有川港 - 佐世保港などの航路が1日1便ずつ運航されています。

熊本・島原航路

フェリー：グループ会社の九商フェリーが熊本港 - 島原外港間を1日10往復（ドック時は5往復）運航しています。

船舶

現在運航中の船舶は、フェリーと高速船があります。

フェリー

長崎・五島航路：「万葉」「椿」の2隻が就航しています。これらの船はバリアフリーに対応しており、エレベーターや車椅子対応の客室が設けられています。
佐世保・上五島航路：「フェリーなみじ」「いのり」が就航しています。
熊本・島原航路：「フェリーくまもと」「レインボーかもめ」が就航しています。

高速船

長崎・五島航路：「ぺがさす」「ぺがさす2」の2隻のジェットフォイルが就航しています。
佐世保・上五島航路：「シークイーン」が就航しています。
長崎・有川航路：「シーエンジェル」「シープリンセス」が就航しています。

かつて運航していた船舶

過去には、「フェリー五島」「フェリー福江」「フェリー長崎」などのフェリーや、「しーぐれいす」などの高速船が運航していました。また、「わかさ丸」「フェリー出島」などは鹿児島・種子島航路で活躍していました。

その他

九州商船は、地域の交通を支えるだけでなく、観光客にとっても重要な交通手段となっています。船舶のバリアフリー化や高速化を推進することで、より快適な船旅を提供しています。

関連情報

競合他社: 熊本フェリーは島原外港と熊本港間の航路で競合しています。
関係会社: 甑島商船は、九州商船の出資により設立された海運会社です。

外部リンク

九州商船
九商フェリー

この情報は、九州商船の歴史、運航航路、船舶に関する詳細を提供します。地域の交通インフラを支える重要な役割を担っていることが理解できるでしょう。

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