甑島商船

甑島商船株式会社について

甑島商船株式会社は、鹿児島県いちき串木野市に本社を構える海運会社です。地域社会の生活を支える重要な役割を担い、甑島列島の各港と薩摩半島を結ぶフェリーと高速船を運航しています。

設立と背景

1977年、過疎化対策の一環として、旧串木野市、九州商船、甑島四村（里村、上甑村、鹿島村、下甑村）が出資し、第三セクターとして設立されました。この背景には、それまで九州商船が運航していた串木野・甑島航路を甑島商船に譲渡し、地域の海上交通を安定させる目的がありました。設立当初、九州商船と甑島四村との間で覚書が交わされ、航路の譲渡、損失金の補填、新船建造や航路再編などが取り決められました。

歴史

1977年5月1日：営業を開始。
1975年: 「柏丸」が就航。
1980年: 「有保丸」と高速船「初代・シーホーク」が就航。
1982年: 「鯨波丸」が就航。
1987年: フェリー「こしき」が就航。
1990年3月: 高速船「2代目・シーホーク」が就航。
2002年10月: フェリー「ニューこしき」が就航。
2004年10月：旧川内市と周辺町村の新設合併に伴い、甑島四村の出資分が薩摩川内市に引き継がれました。
2005年10月：旧串木野市と市来町の合併に伴い、旧串木野市の出資分がいちき串木野市に引き継がれました。
2012年4月：甑島列島内の寄港地が集約され、中甑港・手打港への寄港が廃止されました。また、高速船「シーホーク」の鹿島港への寄港も廃止されました。
2014年3月: 高速船「シーホーク」の運航が終了しました。
2014年4月: 高速船「甑島」が就航し、同時に九州本土側の寄港地が川内港に移転しました。

航路

甑島商船は、以下の航路で運航を行っています。

フェリー（串木野港 - 甑島列島）

「フェリーニューこしき」が1隻体制で、以下の2便を1日1本ずつ運航しています。

第1便：長浜港 → 里港 → 串木野新港 → 里港 → 長浜港
第2便：長浜港 → 串木野港 → 里港 → 長浜港

高速船（川内港 - 甑島列島）

「高速船甑島」が1隻体制で、以下の2便を1日1本ずつ運航しています。

第1便：川内港 → 里港 → 長浜港 → 川内港
第2便：川内港 → 長浜港 → 里港 → 川内港

船舶

運航中の船舶

フェリー：「フェリーニューこしき」
高速船：「高速船 甑島」

「高速船 甑島」は薩摩川内市が所有し、甑島商船が運航を委託されています。船舶のデザインは水戸岡鋭治氏が手がけ、川内港高速船ターミナルも同時にデザインされています。

過去の船舶

甑島商船は、設立以前から多くの船舶を運航してきました。その一部を以下に紹介します。

貨客船：和丸、長水丸、昭丸、つかさ丸、佐世保丸、明勢丸、野百合丸、彦山丸、波路丸、柏丸、有保丸、鯨波丸
フェリー：フェリーこしき
高速船：シーホーク (初代)、シーホーク (2代)

船舶ドック入り時の対応

「高速船甑島」と「フェリーニューこしき」は、ドック入りの際に2便とも運休します。フェリーがドック入りする場合は、高速船では車両輸送ができないため、貨物船専門業者に車両輸送を委託する対応を取っています。

関連情報

甑島観光協会
甑島商船

参考文献

上甑村郷土誌編集委員会『上甑村郷土誌』上甑村、1980年。
下甑村郷土誌編纂委員会『下甑村郷土誌』下甑村、2004年。

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