九州横断バス

九州横断バス：阿蘇の絶景と温泉郷を巡る旅

九州産交グループが運行する「九州横断バス」は、定期観光バスでありながら、別府と熊本を結ぶ路線バスとしての役割も担っています。阿蘇山、黒川温泉、由布院、別府温泉といった数々の観光地を巡るルートは、まさに絶景の車窓旅行と言えるでしょう。熊本と別府間の移動手段としては、直行の特急バスの方が速く、運賃も安価ですが、九州横断バスは沿線の豊かな観光資源を満喫できる点が大きな魅力です。特に、熊本から黒川温泉へのアクセス手段としては貴重な存在となっています。JTB時刻表では「定期観光バス」欄に掲載されているため、時刻表で検索する際には注意が必要です。2016年にはテレビ番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」でも取り上げられ、高速道路を経由しない一般路線バスとして紹介されました。

歴史と路線の変遷

かつては別府―熊本―長崎を結ぶ、文字通り九州を横断する長距離路線でした。熊本以西は天草や雲仙なども経由していました。1991年の時刻表では、別府―熊本、熊本―長崎間の区間便が中心でしたが、別府―長崎間の通し便や、阿蘇観光を含む別府発着の便も存在し、一部便では熊本城や水前寺公園などの市内観光も組み込まれていました。

当初は九州国際観光バスが運行していましたが、同社の解散後、九州産交バスが引き継ぎました。九州産交バスへの移管後も、しばらくは九州国際観光バス時代の路線をほぼ維持していましたが、黒川温泉への乗り入れ開始や熊本―長崎間の廃止など、経路変更を経て、2011年には大幅なダイヤ改正が行われました。阿蘇山西駅での食事付き休憩も、2014年のダイヤ改正で廃止されています。

現在は、熊本を起点に別府、由布院、黒川温泉、阿蘇駅前を結ぶ路線が運行されています。熊本地震やコロナ禍の影響により運行本数は変動しており、2023年8月現在、由布院発着2往復、別府発着1往復の計3往復となっています。各便には1～8号の番号が付けられており、奇数番号が熊本発、偶数番号が熊本着です(4号と5号は欠番)。

運行会社と運行形態

運行会社は九州産交バス(担当：高速営業所)です。運行系統は、由布院線(熊本―由布院)と別府線(熊本―別府)の2系統です。

所要時間と停車箇所

熊本から黒川温泉まで約3時間15分、由布院まで約4時間30分、別府まで約4時間44分かかります。停車箇所は、路線によって異なります。阿蘇くまもと空港、別府駅、鉄輪などは主要停車駅ですが、熊本地震の影響で一部停留所は休止中です。トイレ休憩は阿蘇駅前、瀬の本、小田の池で行われます。

その他注意事項

全便予約制ですが、空席があれば予約なしでも乗車可能です。予約は1ヶ月前から電話またはインターネットで受け付けています。SUNQパス、くまモンのICカード、全国交通系ICカードも利用できます。「九州横断乗継きっぷ」を利用すれば、複数のバスに乗り継ぎながら観光することも可能です。2023年11月30日からはクレジットカードによるタッチ決済も導入されました。

使用車両と車内設備

ハイデッカー車両で、4列シート(2+2列)のリクライニングシートが備え付けられています。日野セレガ、いすゞガーラ、ヒュンダイユニバースなどの車両が使用されています。

雲仙・長崎オーシャン観光バス

かつて九州横断バスが運行していた熊本―雲仙―長崎間を結ぶ定期観光バスです。2010年10月1日から運行を開始し、関西からの旅行プランのオプションとして利用されていました。2017年11月30日に運休となりました。この路線は、島原半島を横断し、フェリーを利用して移動する特徴がありました。また、熊本とハウステンボスを結ぶ「ハウステンボス号」も運行されていました。

まとめ

九州横断バスは、阿蘇の雄大な自然と温泉郷の魅力を満喫できる、ユニークな観光バスです。路線の変遷や運行形態、そして歴史を知ることで、旅の楽しみがさらに深まるでしょう。 かつての路線や関連情報も踏まえ、より詳細な情報を提供することで、読者の理解を促進します。

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