九州国際観光バス

九州国際観光バスの歴史と特徴

九州国際観光バスは、1964年10月に九州産業交通の子会社として設立された、観光バス専業の事業者です。同社は、大阿蘇観光バスに次ぐ2番目の観光バス専業事業者として誕生しましたが、一般的な貸切バス業務は行わず、主に県外を結ぶ定期観光路線の運営に特化していました。

1964年6月に別府阿蘇道路（やまなみハイウェイ）が開通すると、その沿線は有望な観光ルートとして注目を集め、多くのバス事業者が参入を希望しました。しかし、最終的には九州産業交通が中心となり、沿線のバス事業者も出資する形で九州国際観光バスが設立され、国鉄バスの参入希望は退けられました。

設立当初から1980年代にかけては、多くの路線を運営しており、熊本を起点に長崎県や大分県にまたがる路線が多数存在しました。特に、別府・大分から阿蘇・熊本を経由して島原・長崎を結ぶ九州横断バスは、3つの県を同時に巡ることができる珍しい長距離路線として知られていました。また、別府から阿蘇を観光して別府に戻るコースもあり、多様な観光ニーズに対応していました。

熊本市に本社を置き、長崎と大分にも営業所を設置していましたが、熊本～長崎間はフェリーを利用していました。

定期[[観光バス]]でありながら、実質的には区間を結ぶ路線バスとしての側面も持ち合わせていました。そのため、途中での乗降も可能であり、県内間の移動手段としても利用されていました。また、バスガイドは添乗せず、テープによる案内が行われていました。ただし、時刻表では路線バスではなく、定期[[観光バス]]として扱われていました。

バブル崩壊と路線の縮小

1990年代中盤になると、バブル崩壊の影響で利用客が減少し、コースの縮小を余儀なくされました。1999年には、九州産業交通の経営不振による債務超過が発覚し、不採算の子会社を閉鎖する方針が発表されました。その結果、九州国際観光バスも1999年12月末に県外の各営業所を閉鎖し、会社清算を経て解散しました。設立から35年の歴史に幕を閉じることになりました。

同社が運行していた各コースは、九州産交本体（現在の九州産交バス）に継承され、車両も移管されました。現在も一部の路線は運行されていますが、運行ルートの短縮（熊本 - 長崎間の廃止）や経路変更（黒川温泉への乗り入れ開始）が行われ、2011年4月のダイヤ改正では、当時の運行ルートから大きく変化しています。

備考

以前は、九州商船の三角～島原間のフェリーを利用し、九州横断道路全ルートを巡るコースとしていました。熊本から三角までの区間には、「五橋入口」にもバス停が設置されていました。1993年に熊本港が開港した後は、熊本～島原間のフェリーを利用するようになり、運行経路が変更されました。1998年からは、九州産交グループの熊本フェリーが運航する高速フェリー「オーシャンアロー」が利用されるようになりました。このように、運行経路は3度変更されています。

関連事項

やまなみハイウェイ
九州横断バス
* ありあけ号 - 過去に熊本 - 長崎間を結んでいた特急バスで、有明フェリーを利用していた。高速道路網の整備により、りんどう号に役割を譲り、1997年に運行を休止しました。

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