了法寺

了法寺（りょうほうじ）

了法寺は、東京都八王子市日吉町に位置する日蓮宗の寺院です。山号は松栄山といい、「松栄山・了法寺」が正式名称です。八王子七福神の一つである新護弁財天が祀られており、また、入口に設置された美少女イラストの看板から「萌え寺」としても広く知られています。

歴史

了法寺は、1489年（延徳元年）に啓運日澄上人が隠居所として開山したのが始まりとされています。翌年の1490年（延徳2年）には、元八王子に改めて開山されました。その後、1590年（天正18年）に現在の日吉町に移転しました。

伽藍

境内には以下の施設があります。

本堂：本尊を安置する中心的な建物です。
墓地：檀家の先祖が眠る場所です。
稲荷堂：宇迦之御魂神を祀るお堂です。
絵馬掛：参拝者が願い事を書いた絵馬を奉納する場所です。
案内看板（通称：萌え看板）：萌え系の美少女イラストが描かれた看板です。

信仰

了法寺では、弁財天を祀る一方で、神仏習合の風習が残っており、伽藍内には稲荷堂（稲荷神社）が配されています。稲荷堂では、農商繁盛の神である宇迦之御魂神が祀られており、稲荷信仰の寺としての側面も持っています。御使いとして、稲荷神としての狐と、水神である弁財天の使い、あるいは宇賀神の化身としての白蛇も信仰の対象となっています。

稲荷勧進は、熊谷稲荷、於岩稲荷、文護稲荷、最上稲荷、笠間稲荷、豊川稲荷より行われ、これらの稲荷寺社の支宮・支寺としての性質を持っています。三対勧進により、大黒天および龍神も祀られています。

また、弁財天を祀る寺社としては珍しく、音楽・芸術や水神としての御利益だけでなく、縁結びも主なものとして挙げられています。

萌え寺

了法寺が「萌え寺」と呼ばれるようになったのは、2009年5月に寺の入口に萌え系美少女イラストが描かれた看板が設置されたことがきっかけです。誰でも気軽に入れる雰囲気作りのため、また、寺に祀られている新護弁財天が音楽・芸術の神であることから、住職の友人で広告企画会社社長の紹介により、声優・イラストレーターのとろ美が起用されました。とろ美によって、弁財天をモチーフにした「とろ弁天」などのイラストが描かれた案内看板や携帯サイトが製作され、若い男性の参拝客が増加しました。

2009年には『ナニコレ珍百景』で「萌えるお寺」として放送され、MV珍を受賞しました。また、八王子いちょう祭り期間中の2009年11月には境内でメイドカフェが開催され、2010年1月には餅つき、同年4月にもメイドカフェが開催されました。

2010年8月には、了法寺レコードレーベルにより、とろ弁天のコスプレ姿のとろ美が歌う了法寺CMテーマソング「寺ズッキュン!愛の了法寺!」が完成しました。了法寺本堂の配札所やコミックマーケットでも頒布されました。同年10月には、宮川武原型による萌え仏像「とろ弁天像」が完成し、11月には奉納祭が行われました。今後はインターネットラジオも放送予定です。

2011年2月にはNHKワールドTVの紀行番組で紹介されました。

住職は最初イラストを見た際は驚いたものの、家族や檀家に相談したところ、「かわいいからいいんじゃない？」と反対はなく、あっさり設置が決まったそうです。

漫画化

角川書店発売の『4コマnanoエース』にて『ようこそ了法寺へ』が連載され、単行本も発売されました。

関連ゲーム

カードバトルゲームアプリ『ようこそ了法寺へ』が2012年11月よりサービスを開始しましたが、2017年7月にサービスを終了しました。また、リズムゲーム「お経の達人」が開発されましたが、特許権侵害の可能性があり、頒布が取りやめになりました。

アクセス

JR中央線西八王子駅から徒歩7分
JR中央線八王子駅北口バスターミナルよりバスに乗車、千人町一丁目バス停にて下車、徒歩1分

外部リンク

了法寺
* 了法寺 (ryohoji) - X（旧Twitter）

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