二丁投げ

二丁投げ (にちょうなげ)

二丁投げは、大相撲における日本相撲協会が定める決まり手八十二手の一つで、投げ技に分類されます。 自分の片方の足を相手の足の外側に当て、払うようにして相手を倒す技です。「二丁」とは、二本の足のことを指します。

概要

この技では、腕の位置は特に定められておらず、上手、下手に関わらず、廻しを取っていてもいなくても成立します。 柔道の大外刈に似ているという指摘もあります。1948年の講道館機関誌『柔道』において、玉嶺生は、払腰、大外刈、足車、大車、大外車、大外落、大外巻込も相撲では「二丁投げ」と呼ばれていたと述べています。

過去の事例

幕内での二丁投げは、2007年9月場所12日目に春日王が普天王に対して決めた例があります。これは、1996年3月場所初日に関脇時代の魁皇が浪之花に対して決めて以来、11年ぶりの記録でした。また、1992年5月場所2日目には、関脇琴錦が寺尾戦でこの技により勝利しています。

さらに遡ると、1991年5月場所2日目には、当時小結だった貴闘力が大関霧島に対し、土俵中央で鮮やかな二丁投げを決めました。 貴闘力はこの技を得意としており、通算3回決めています。しかし、1992年7月場所11日目には、平幕優勝を果たした水戸泉に対し逆転の二丁投げを狙ったものの、これは失敗し、送り出しで敗れています。

十両の取組では、2013年9月場所初日に朝赤龍が千代鳳にこの技で勝利しています。

特筆すべき例として、2003年1月場所2日目、当時前頭筆頭の雅山が横綱貴乃花に対して下手を深く取られた直後、土俵中央で二丁投げを決め、貴乃花を裏返しました。 行司は雅山に軍配を上げましたが、審判団から物言いがつき、両者同体として取り直しとなりました。 取り直しの相撲では貴乃花が上手投げで勝利しましたが、この判定に対し、相撲協会に抗議の電話が殺到する事態となりました。 その後、貴乃花はこの相撲で左肩を痛め途中休場し、後に引退を表明。雅山も怪我により途中休場となり、後味の悪い一番となりました。

二丁掛け

二丁掛けは、相手に投げの体勢に入られていない状態で足を掛け、相手が倒れた場合に用いられる名称です。 これは、日本相撲協会が定める決まり手八十二手には含まれていません。 公式な決まり手が制定される以前には、このような場合を「二丁掛け」と呼んでいました。

公式決まり手制定以前に「二丁掛け」として記録された取組として、昭和28年1月場所9日目の愛知山と甲斐ノ山の対戦があります。

関連項目

大相撲の決まり手一覧

外部リンク

決まり手/にちょうなげ'>二丁投げ - 決まり手八十二手 - 日本相撲協会

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