二上山 (鳥取県)

二上山の概要

二上山（ふたがみやま）は、鳥取県岩美郡岩美町に位置する標高330mの山です。この山は中国百名山の一つに数えられ、歴史的な背景を持ち、多くの遺跡や自然の美しさが共存しています。二上山はまた、かつての式内社、二上神社の所在地としても知られています。

歴史的背景

中世には二上山城が築かれ、因幡国の守護である山名氏の本拠地となりました。山頂付近は「一の平」と呼ばれる平地があり、これは城を築くために山頂が削り取られた結果です。一の平を囲む石垣や、山中に散在する曲輪、さらに「壇」や「二の平」と呼ばれる遺構は、現在「二上山城跡」として鳥取県の史跡に指定されています。

山の北側には数多くの古墳が見つかっており、その中には「高野坂古墳」が含まれています。この古墳は保存のために移設され、現在は公園として訪れることができます。

二上山の名前について

二上山の現名は、南北朝時代の文和年間（1352年 - 1355年）に、山名時氏が山頂に築城したことに由来しています。興味深いことに、二上山という名前は通常、二つの頂を持つ山に付けられることが多いですが、二上山自体はその形状を持ちません。実際には、北西に位置する立岩山が2つの頂を持っており、二上山の名前は立岩山から取られたのではないかとも考えられています。

高野坂古墳群

二上山の斜面には高野坂古墳群（たかんざかこふんぐん）が所在し、これらは広域農道の工事によって発見されました。推定される年代は5世紀末から8世紀初頭で、ここからは多くの副葬品が出土しています。特に、6世紀後半の「8号墳」は直径13mの円墳で、地域の古墳形式に基づいて再評価されています。

また、10号墳は2段階のあらわしい構造を持ち、家形石棺が岩美町の保護文化財に指定されています。10号墳から出土した7世紀後半に作られた銅製の壺鐙も特筆すべき発見です。

二上神社とその背景

二上神社は延喜式神名帳に記載されている式内社であり、現在の岩常地区に位置しています。江戸時代の文献『因幡志』によると、かつて二上山には複数の神社が存在し、山名氏が城を築く際にこれらを移転したとされています。この移転先には「鼓山」があり、元の神社の一つである「鼓の明神」から名付けられたと考えられています。

二上山城の歴史

山名氏は上野国から来た一族で、南朝に従った時期に因幡地方に根を下ろしました。文和年間に時氏が二上山城を築いて以来、百年以上にわたり山名氏はこの地を支配しました。時を経て、城の重要性は他の城と移転し、二上山城は次第に使用されなくなりました。この城もまた、歴史的な遺産として残されています。

登山道も整備され、周囲の自然を楽しみながら山頂を目指すことができます。訪れる人々はその歴史と自然を感じることができる貴重な場所となっています。

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