二子城

二子城の歴史と概要

二子城（ふたごじょう）は、岩手県北上市に存在した日本の城であり、主に和賀氏一族の拠点として機能していました。この城の別名は飛勢城（とばせじょう）で、時代を超えて多くの歴史を見守ってきました。

城の位置と名称の由来

二子城は陸奥国和賀郡の二子村に位置しており、その跡地は北上川の湾曲部の西岸に広がる丘陵地帯にあります。「二子」という名称は、地内に二つの小山が並んでいることによるもので、その景観は訪れる人々に印象を与えます。丘陵の東側には宿場町が形成されており、城下町としての役割も果たしていました。また、城の中心部分には城主の居館跡である白鳥館が存在したとされています。周囲には家臣団の住宅も配置されていたと考えられ、城の社会構造を物語っています。現在、この二子城跡は市立公園「飛勢城跡」として整備され、訪問者に城の歴史を伝えています。

二子城の歴史的背景

二子城の築城年代は正確には不明ですが、室町時代以降に和賀氏がこの地域の惣領職を務める中でその重要性が増したと考えられています。最初の拠点は北上川の対岸にある更木にあったとされていますが、応永8年（1401年）には和賀時義がこの地を与えられ、二子城が本城となったという説も存在します。

後に、天正18年（1590年）には奥州仕置きにより和賀氏は所領を没収され、二子城には浅野長政の家臣が駐留しました。しかし、和賀氏と稗貫氏の旧臣たちは連携して挙兵し、城を奪還します。この動きを「和賀・稗貫一揆」と呼びますが、翌年には再度の仕置きで蒲生氏郷の勢力に攻略され、和賀氏の当主は逃亡中に命を落としました。

岩崎一揆と二子城の運命

さらに、慶長5年（1600年）には南部氏の出陣中に和賀忠親が伊達氏の支援を受けて挙兵し、二子城を拠点に南部氏と戦いました。この岩崎一揆は、和賀氏が旧領を取り戻すための試みとして知られています。和賀勢は花巻城を急襲し、本丸に迫ったものの、援軍を得た南部勢に敗北し、二子城を放棄せざるを得なくなりました。その後、和賀勢は拠点を岩崎城に移しました。

現在の二子城

二子城はその重要な歴史的背景から、県内外の人々にとって興味深いスポットとなっています。大手門は南部氏によって花巻城に移されたともされ、この運命は城の歴史をさらに深いものにしています。現在では、観光名所として訪れる人々に、かつての和賀氏の栄華を思い起こさせる場所となっています。

参考文献

• - 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 3 岩手県』角川書店
• - 平凡社『日本歴史地名大系 第3巻 岩手県の地名』

二子城は、単なる城跡ではなく、その背後にある歴史や人々の物語を知ることで、より一層興味深い場所となることでしょう。

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