二条正麿

二条正麿：明治・昭和期の貴族院議員の生涯

二条正麿（にじょう おさまろ、1872年2月17日 - 1929年2月18日）は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本の政治家であり、華族でした。貴族院男爵議員として、日本の政治に貢献しました。

生い立ちと教育

二条正麿は、名家である二条家の当主、二条斉敬の四男として誕生しました。華族としての家系を受け継ぎ、恵まれた環境で育ちました。学習院高等科を経て、東京帝国大学法科大学法律学科を卒業。さらに同大学院に進学し、行政法を専攻して修了するなど、高い学識を身につけました。

政治家としてのキャリア

1902年（明治35年）12月5日、二条正麿は男爵位を叙爵され、分家しました。その後、1904年（明治37年）には司法官試補となり、東京区裁判所検事代理を務めました。司法における経験を積んだ後、1905年（明治38年）3月、貴族院男爵議員補欠選挙に当選。貴族院議員として、日本の政治に参画することになります。

貴族院においては、公正会に所属し、精力的に活動しました。死去するまで4期にわたって議員を務め、その間、日本の政治、社会に貢献しました。貴族院議員としての活動に加え、狩猟調査会委員や寺院境内地譲与審査会委員なども務め、幅広い分野で活躍しました。

受賞と栄典

二条正麿の功績は、数々の栄典によって認められました。1902年（明治35年）12月20日には従五位、1915年（大正4年）12月28日には従四位に叙せられました。さらに、正四位にも叙せられています。そして、1929年（昭和4年）2月18日には旭日中綬章を受章しました。

家族

二条正麿の家族構成は以下の通りです。妻は鶴子（酒井忠道女）。二人の娘と三人の息子に恵まれました。長女の康子は、二条基弘の養女となり、誓康と改名して浄明院の住職となりました。長男の豊基は男爵位を継承しましたが、戦死しました。次男の弼基は二条厚基の養子となり、三男の博基は牧野健之助の養子となりました（牧野健之助は三井高弘の子、牧野忠良の娘婿）。三女の文子は慶光院利彰と結婚しました。

参考文献

東京帝国大学『東京帝国大学一覧：明治32-33年』東京帝国大学、1899年
筒井住蓮編『大日本華族大鑑』都通信社、1911年
人事興信所編『人事興信録』（8版）人事興信所、1928年
貴族院事務局編『貴族院要覧（丙）』 昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年
衆議院、参議院『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年
霞会館『平成新修旧華族家系大成』 下巻、吉川弘文館、1996年
杉謙二編『華族畫報』 下、吉川弘文館、2011年（原著1913年）
『官報』 第5829号、1902年12月6日
『官報』 第5842号、1902年12月22日
『官報』 第6508号、1905年3月14日
『官報』 第1024号、1915年12月29日
『官報』 第641号、1929年2月20日

二条正麿は、華族出身の優れた教育を受け、司法、そして政治の分野で活躍した人物でした。貴族院議員としての活動や、多様な社会貢献活動を通して、明治から昭和初期の日本社会に貢献したと言えるでしょう。彼の生涯は、激動の時代の日本の歴史を理解する上で重要な視点を与えてくれます。

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