五和町

五和町（いつわまち）

熊本県天草郡に存在した五和町は、天草諸島の北部に位置し、有明海に面した自然豊かな町でした。2006年3月27日に本渡市、牛深市など周辺の9市町村と合併し、天草市の一部となりました。旧五和町域は現在、天草市五和町としてその名を残しています。

地理

五和町は天草諸島の下島の北部に位置し、有明海に面していました。特に早崎瀬戸は、豊かな漁場として知られています。また、町の北部にある通詞島の沖合には、約200頭のミナミバンドウイルカが生息しており、イルカウォッチングが観光の目玉となっていました。主な山として天神山、海として有明海と早崎瀬戸、川として内野川が挙げられます。また、通詞島と亀島という二つの島も町域に含まれていました。

歴史

五和町は1955年（昭和30年）5月1日に、御領村、鬼池村、二江町、手野村、城河原村が合併して誕生しました。その後、2006年（平成18年）3月27日に本渡市などと合併し、天草市となりました。

行政

合併前の五和町には、町長として伊藤山陽氏が3期目（2002年7月 - ）を務めていました。また、市議会議員には宮下幸一郎氏が当選3回を数えていました。町内には、まちづくり振興会が各地域に存在し、地域活性化のために活動していました。具体的には、城河原地域づくり振興会、手野まちづくり振興会、二江まちづくり振興会、鬼池まちづくり振興会、御領まちづくり振興会などが挙げられます。

経済

五和町は、海の幸と山の幸に恵まれた町でした。特産品として、いくり、菊芋、車エビ、伊勢エビ、ウニ、アワビ、サザエ、ワカメ、メカブ、トサカ、タコなどの海産物、温州みかん、ポンカン、デコポン、ネーブル、晩柑、ビワ、イチゴなどの農産物が豊富にありました。また、これらの特産品を加工した商品も多く、たこの花、たこの燻製、かじめの味噌漬、かじめそぼろ、びわゼリーなどが人気でした。特に、たこの花は、たこを日干しにした後、鰹節のように削ったもので、珍しい特産品として知られていました。

教育

五和町には、天草市立五和小学校と天草市立五和中学校がありました。これらの学校は、合併後も天草市の学校として教育活動を続けています。

交通

五和町には、2000年3月に開港した天草飛行場があり、鬼池港とともに天草の玄関口として機能していました。また、町内には鉄道路線はありませんでしたが、九州産業交通バスを利用して、本渡市を経由し、JR鹿児島本線や三角線にアクセスできました。航路としては、鬼池港から口之津港（口之津町）へのフェリーが運航していました。道路としては、国道324号や複数の県道が整備されており、バス路線としては、本渡バスセンター、富岡港、通詞、鬼池港方面への路線バスが運行されていました。

名所・旧跡・観光スポット・祭事

名所・旧跡

五和上野原神社大クス（楠）：天草市景観重要樹木に指定されている大木
キリシタン墓碑公園：歴史的な場所

観光スポット

イルカウォッチング：鬼池港、二江港から出発するツアーが人気
鬼の城公園：自然豊かな公園
亀島：美しい島
天神山：ハイキングコースとしても人気
完全天日塩製塩所：塩作りを見学できる
ソルトファーム：塩に関する体験施設
ユメール（総合交流ターミナル施設）：地域の情報発信基地
風力発電所：再生可能エネルギーの拠点

祭事

イルカの海開き：3月下旬
ほたるフェスタ：5月下旬（城河原）
森のちから海のちからキャンプ：8月上旬（亀島）
アカペラ合宿：8月（城河原）
鬼んピック：8月下旬の日曜日（鬼の城公園）
お魚釣りING（ツーリング）：10月上旬 - 中旬のいずれかの日曜日または祝祭日
オレンジマラソン大会：11月23日
通詞大橋イルミネーション：12月中旬 - 1月3日

出身者

花龍真吾：元大相撲力士

関連項目

熊本県の廃止市町村一覧

外部リンク

* 五和町ホームページ（2006/05/27アーカイブ）: 国立国会図書館Web Archiving Projectのアーカイブページ

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