五日市町 (広島県)

五日市町（いつかいちちょう）とは

五日市町は、かつて広島県佐伯郡に存在した町です。1911年に五海市村が町制を施行し、五日市町が誕生しました。広島市街に近く、山陽本線五日市駅や広電五日市駅を中心に発展。原爆投下時には、郊外の救援拠点としての役割も果たしました。

発展と合併問題

戦後の高度経済成長期には、広島市のベッドタウンとして人口が急増。1980年の国勢調査では、人口が87,325人に達し、日本一の町となりました。しかし、1985年3月20日に広島市に編入合併し、町としての歴史を終えました。合併後、旧五日市町域は広島市佐伯区となりましたが、2005年に湯来町が編入されたため、佐伯区の区域は拡大しています。

合併をめぐっては、町内で意見が対立。広島市との合併による都市化を望む声がある一方で、行政サービスの低下を懸念し、単独市制を求める声も上がりました。町議会は紛糾し、住民による妨害行為も発生するなど、混乱が続きました。

五日市町の沿革

1889年：町村制施行により、五海市村が発足
1911年：五海市村が町制を施行し、五日市町に改称
1955年：石内村、観音村、河内村、八幡村と合併し、新たな五日市町が発足
1985年：広島市に編入合併し、佐伯区が発足。広島市の人口が100万人を突破

地理

町内には、八幡川や岡ノ下川が流れ、窓ヶ山、向山、大茶臼山などの山々がそびえています。

合併時のデータ

人口: 97,459人（地方自治法に基づく町として史上1位）

交通

鉄道：国鉄山陽本線（五日市駅）、広島電鉄宮島線（広電五日市駅、楽々園駅）
道路：国道2号、国道433号、広島県道41号五日市筒賀線など

教育

小学校：石内小学校、五日市小学校、観音小学校など
中学校：五日市中学校、五月が丘中学校など
高等学校：広島県立五日市高等学校
* 大学：広島工業大学

五日市町は消滅しましたが、その地名は広島市佐伯区の一部として今も残っています。合併時の庁舎は佐伯区役所として利用され、広島市植物公園などの施設は地域住民の憩いの場となっています。

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