亘四郎

亘四郎（わたり しろう）

プロフィール

生年月日: 1899年（明治32年）11月8日
没年月日: 1977年（昭和52年）4月4日
出身地: 新潟県南蒲原郡三条町（現・三条市）
最終学歴: ラトガーズ大学
主な役職:
衆議院議員（8期）
新潟県知事（2期、第47・48代）
参議院議員（1期）

生涯

亘四郎は、1899年に新潟県で呉服商を営む家に生まれました。実兄に日魯漁業創業者の堤清六がいます。幼少期に寺泊の廻船問屋の養子となり、寺泊小学校、旧制新潟県立三条中学校を経て、アメリカ合衆国のラトガーズ大学に留学しました。大学では建築学と数学を専攻する傍ら、アメリカンフットボール部で活躍しましたが、その際に難聴を患いました。

1924年に帰国後、兄の清六が経営する日魯漁業に入社し、北洋漁業に従事しました。その後、政治の世界に転身し、1946年の第22回衆議院議員総選挙で、日本自由党公認で新潟2区から出馬し初当選を果たしました。衆議院議員としては、国土総合開発特別委員長や厚生政務次官を歴任し、特に厚生委員会での活動が目立ち、「福祉の亘」と呼ばれるほど、福祉政策に尽力しました。

亘は、国会議員としての職務は、国民の代表者としての責任を果たすことにあるという信念を持っており、大臣の地位を求めるような猟官運動には一切関わりませんでした。1960年には自民党新潟県連会長に就任しますが、同年の総選挙で落選。しかし、1963年の総選挙で再び議席を取り戻しました。

1966年、新潟県知事であった塚田十一郎が贈賄事件で辞任したことを受けて、自民党から出馬し、社会党の松井誠との選挙戦を制して初当選を果たしました。1970年には再選を果たし、2期8年、新潟県知事として県政に貢献しました。1974年に知事を退任し、後継者として副知事の君健男を指名しました。同年7月の第10回参議院議員通常選挙で当選し、参議院議員となりました。

参議院議員在職中の1977年、実姉の死から1か月後に亡くなりました。妻の静子との間に1男3女を授かり、次女の良子は、後の新潟県知事である北村一男の息子と結婚しています。

亘県政

新潟県知事としては、県民生活の向上と県政発展に尽力しました。

人物

実兄に日魯漁業創業者の堤清六がいる。
アメリカ留学中にアメリカンフットボールの影響で難聴となった。
「福祉の亘」と呼ばれるほど、福祉政策に尽力した。
大臣の地位を求めるような猟官運動には一切関わらなかった。

家族

妻：静子
子：1男3女
次女：良子（北村健太郎の妻）

参考文献

『衆議院議員総選挙一覽 第22回』衆議院事務局、1950年。
新潟日報社編 『民選知事五代 県政支配の構図 下巻』 新潟日報事業社、1978年4月、223-290頁。
牧田利平編 『名家系譜 越佐人物誌』 野島出版、1986年、141-142頁。
『政治家人名事典』日外アソシエーツ、1990年9月、591頁。ISBN 4816910069。
『新訂政治家人名事典　明治～昭和』日外アソシエーツ、2003年10月、687頁。ISBN 4816918051。

関連項目

* 新潟県出身の人物一覧

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