交響曲第3番 (ルーセル)

交響曲第3番 ト短調 作品42, L. 53

アルベール・ルーセルが1929年から1930年にかけて作曲した交響曲第3番は、彼の管弦楽作品の中でも重要な位置を占める作品です。この交響曲は、ボストン交響楽団の創立50周年を記念して、指揮者セルゲイ・クーセヴィツキーの依頼により作曲されました。同時期にはバレエ音楽『バッカスとアリアーヌ』も作曲されており、ルーセルの創造性が最も豊かだった時期の作品と言えるでしょう。

初演は1930年10月24日、クーセヴィツキー自身の指揮によりボストン交響楽団によって行われました。

楽器編成

この交響曲は、以下の楽器編成で演奏されます。

ピッコロ
フルート2
オーボエ2
イングリッシュホルン
クラリネット2
バスクラリネット
ファゴット2
コントラファゴット
ホルン4
トランペット4
トロンボーン4
チューバ
ティンパニ3
トライアングル
小太鼓
シンバル
大太鼓
タムタム
チェレスタ
ハープ2
弦五部

曲の構成

全4楽章構成で、演奏時間は約23分です。

第1楽章：アレグロ・ヴィーヴォ

ト短調、4分の3拍子、ソナタ形式で書かれています。弦楽器による伴奏の後、同じく弦楽器によって第一主題が提示されます。フルートによって提示される第二主題が、第一主題と対比を成しています。

第2楽章：アダージョ

変ホ長調、4分の4拍子、三部形式です。オーボエとフルートが主要主題のモチーフを提示した後、ヴァイオリンが主要主題を完全な形で奏でます。中間部ではリズミカルな主題が現れ、その後、主要主題が縮小された形でフーガとなります。

第3楽章：ヴィヴァーチェ

ニ長調、8分の3拍子、自由なソナタ形式です。この楽章では、第一主題と第二主題が並列に扱われ、経過部的な要素が少ないのが特徴です。

第4楽章：アレグロ・コン・スピーリト

ト長調、4分の4拍子、ロンド形式（A-B-A'-C-A-B-A）で構成されていますが、ソナタ形式的な要素も含まれています。Cの部分は、第3楽章の要素に基づいています。

この交響曲は、ルーセルの卓越したオーケストレーション技術と、各楽章における独特な形式感が際立つ作品です。古典的な形式を基盤としつつも、ルーセル独自の音楽語法が随所に見られ、聴く者を魅了します。

参考文献

最新名曲解説全集2 交響曲II（音楽之友社）

外部リンク

* 交響曲第3番 ト短調 作品42, L. 53の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

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