京 (ミュージシャン)

京 (ミュージシャン)

京（きょう、1976年2月16日 - ）は、日本のロックミュージシャン、歌手、作詞家です。DIR EN GREY|DIR_EN_GREY、sukekiyo、Petit Brabanconのボーカリストとして、幅広い音楽活動を展開しています。京都府出身、血液型はB型。

経歴

1993年から月蝕、Viṣṇu、Masqueradeといったバンドを経験し、その後La:Sadie'sを結成。
1997年1月15日のLIVEにてLa:Sadie'sを解散後、同年2月にDIR EN GREY|DIR_EN_GREYを結成しました。
1999年1月20日、「アクロの丘」「残-ZAN-」「ゆらめき」のシングル3枚を同時リリースし、メジャーデビュー。
2000年3月20日には、ファッションブランド「BA-TSU」とのコラボイベントをラフォーレ原宿で開催。
2001年8月31日、詩集「自虐、斂葬腐乱シネマ」を発行。同時に「第三帝國楽団」としてソロCDを付属。
2004年12月3日、詩集「前略、お元気ですか。最果ての地より名も無き君に愛をこめて…」を発行。「腐乱シネマ帝國楽団」としてソロCDを付属。
2004年12月27日から31日まで、ギャラリーハセガワにて個展を開催。
2005年以降は、日本国内に留まらず海外での活動も活発化させています。
2013年には、ソロ活動としてバンドsukekiyoを結成。
2021年には、L'Arc〜en〜CielのyukihiroやMUCCのミヤらと共にPetit Brabanconを結成し、新たな音楽性を追求しています。

幼少期

パン屋を営む家庭で育ちました。多忙な家庭環境のためか、幼少期の写真や記憶は少ないようです。
小学生時代は、仮面ライダーやゲーム、映画、外遊びを好む一般的な子供でしたが、一方で冷静な一面もあり、特定のグループに属することを避けていたため、周囲からは「ヘンコ（変な子）」と見られていたそうです。
中学生の頃から社会に対する不満や疑問を抱き始め、BUCK-TICKやXといったバンドに影響を受け音楽に目覚めます。特にBUCK-TICKのメンバーの髪型がアニメキャラのようだったことがきっかけで興味を持ち、その後、激しいテンポの楽曲に共鳴していきました。

Xのギタリストhideに憧れてhideモデルのギターを購入するも挫折。ベースにも挑戦しましたが同様に弾きこなせず、ドラムにも興味が湧かなかったため、ボーカルの道を選びます。音楽だけは好きになり、ギターを買った時にはバンド活動以外にやりたいことはないと決意。高校進学を拒否し、音楽活動に専念する道を選びました。

中学卒業後

中学卒業後は、アルバイトやローディーとして生計を立てながら音楽活動を続けました。卒業と同時に髪をピンクに染めるなど、外見も変化していきました。
中央市場でのアルバイト中にALBATROSSというバンドにローディーとして参加し、バンドの仕組みや裏側を学びます。同時に自身のバンドメンバーも募集していました。
当時知名度の低かった黒夢を知り、1992年12月5日に黒夢のライブを見て衝撃を受け、「自分の求めていたスタイルはこれだ」と感じ、以後ローディーを務めます。
16歳の頃、ローディー仲間とバンドを組んだ際に初めてメイクを経験。当時から研究を重ね、様々なバンドのメイクを参考にしたそうです。この頃からバンドやライブに対する手応えを感じ始め、両親からの反対を押し切って音楽活動を続けました。
17歳の時に地元京都で月蝕を結成し、初ライブを行います。ステージネームは「殀磨」（よま）。オリジナル曲を中心に活動し、オムニバスCDへの参加やデモテープの配布なども行っていました。その後、Viṣṇu、Masqueradeとバンドを変え、18歳で大阪に移住。廃人黒薔薇族というセッションバンドで、後のDIR EN GREY|DIR_EN_GREYのドラマーShinyaと出会います。その後、Dieをギタリストに誘い、La:Sadie'sを結成。

La:Sadie's時代

La:Sadie's時代には、後のDIR EN GREY|DIR_EN_GREYのリーダーとなる薫と知り合い、後に薫も加入します。京のライブパフォーマンスは当時から激しく、ドーランで髪を白く塗り、特攻服を着て木刀を持って客席で暴れるといった奇抜なものでした。
ツアー先の長野県で、対バン相手だったToshiyaのライブパフォーマンスに惹かれ、その後親交を深めます。1997年1月15日にLa:Sadie'sは解散し、同年2月、元メンバーにToshiyaを加えた5人でDIR EN GREY|DIR_EN_GREYを結成。

音楽性

京は、ボーカリストとして非常に広い音域を持ち、様々な歌唱法を使いこなします。ファルセット、グロウル、ガテラル、シャウト、スクリーム、ホイッスルボイスなど、多彩な表現力を持っています。
ライブでは即興性を重視し、アドリブでシャウトやスキャットを交えるなど、音源とは異なるパフォーマンスを披露することが多くあります。

DIR EN GREY|DIR_EN_GREYの作詞はすべて京が担当しています。初期はエログロな表現や悲恋、心中といったモチーフが多く見られましたが、近年は生と死、戦争、人間の心の闇など、より抽象的なテーマを扱うことが多くなっています。歌詞は悲観的で重く、痛みや悲しみを表現することが一貫しています。

DIR EN GREY|DIR_EN_GREYでは作曲も手掛けており、『MISSA』収録の「「S」」や『鬼葬』収録の「The Domestic Fucker Family」などがあります。

パフォーマンス

MACABREツアー中、左耳の聴力を突発性難聴により失ってしまいます。この事故以降、京のパフォーマンスはより過激なものになっていきます。かつては、歌の途中に吐血したり、身体を切り刻み出血させるなどといった自傷行為を行うこともありましたが、2009年以降はほとんど行っていません。

受けた・与えた影響

幼少期に中森明菜を好んでおり、初めて買った音源は「TATTOO」でした。インディーズ時代は黒夢の清春から影響を受けていましたが、DIR EN GREY|DIR_EN_GREYの公式サイトでは「鬼葬リリース以降、誰からの影響も受けていない」と答えています。一方で、ヴィジュアル・シーンには、京に影響を受けたミュージシャンが多く存在します。

人物

メンバーとのプライベートでの交流はほとんどなく、連絡先も知らないそうです。ライブでBA-TSUのネクタイをしていたことがきっかけで、同ブランドとのコラボ企画が実現し、デザインを手掛けたこともあります。

京は、その独特な音楽性と世界観で、日本のロックシーンに大きな影響を与え続けています。

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