京成リテーリングネット

京成リテーリングネット株式会社

京成リテーリングネット株式会社は、千葉県船橋市に本社を置く企業です。京成グループの一員として、主に京成松戸線（旧・新京成線）の駅構内において売店を運営する事業を展開しています。

沿革

当社の歴史は、1974年3月20日に設立された下総緑地株式会社から始まります。設立当初は種苗販売や造園業を手掛けていました。1981年8月11日には下総興業株式会社と改称。その後、2000年8月1日には新京成タクシーを吸収合併しましたが、タクシー事業は引き継ぎませんでした。2006年3月1日にはスタシオン・セルビス株式会社へと社名を変更。「スタシオン・セルビス」という名称は、フランス語の「駅（station）」と「サービス（service）」を組み合わせた造語で、「駅サービス」を意味するとされています。2018年5月10日には新京成リテーリングネット株式会社となり、さらに2025年4月1日には現在の京成リテーリングネット株式会社となる予定です。

駅構内事業の変遷

当社は、かつて新京成電鉄の子会社として、駅構内に「SKショップ」という売店や、「キャロットショップ」という自社ブランドのコンビニエンスストアを展開していました。キャロットショップは、松戸駅、常盤平駅、北習志野駅、新津田沼駅など複数の駅に設けられていました。

以前は京成津田沼駅を除く新京成線内のほぼ全ての駅に店舗を構えていましたが、その後一部は廃止され、セブン-イレブンへの転換が進む以前には、すでに全駅での営業は行われていませんでした。店舗の営業時間は多様で、終日営業のほか、午前のみ営業、さらには過去には午後のみ営業する店舗も存在しました。新京成線に加え、過去には東葉高速鉄道線の北習志野駅と船橋日大前駅でも店舗を営業していましたが、これらの東葉高速鉄道沿線の店舗は2013年6月末をもってすべて閉店し、同社線からは完全に撤退しました。

セブン-イレブンとの提携

新京成電鉄がセブン-イレブン・ジャパン（SEJ）と2013年10月30日に提携（エリアフランチャイズ契約）を結んだことを受け、当時スタシオン・セルビスであった当社が運営する駅構内店舗は、順次セブン-イレブンへの転換が進められることになりました。提携に基づく最初のセブン-イレブン店舗は、2013年12月5日に新津田沼駅に開業しています。

過去の関連事業

駅売店事業に加え、当社は新京成電鉄から業務を受託し、実施していた時期があります。2006年3月から2018年3月末までの期間、ホーム監視業務や駅舎清掃業務を担っていました。また、新京成タクシーから引き継いだ新津田沼駐車場の運営も行っていましたが、この事業は後にエスピー産業（現・京成不動産駐車場事業部）へ移管されています。

かつては、当社独自のデザインを施したパスネットも駅売店で販売していましたが、ICカード乗車券PASMOへの移行に伴い、パスネット自体の販売は終了しています。

京成グループにおける位置づけと再編

京成グループ内には、駅構内での小売事業を手掛ける類似会社として、京成電鉄や北総鉄道沿線でファミリーマートを展開するコミュニティー京成が存在します。近年、京成グループ全体での組織再編が進められ、2022年に新京成電鉄が京成電鉄の完全子会社となった後、2023年4月1日には当社を除く新京成電鉄の非運輸系子会社が、京成電鉄傘下の同業子会社へ吸収合併されました。しかし、当社はセブン-イレブンとの提携関係があるため、この時点での合併対象とはなりませんでした。2025年4月1日には京成電鉄が新京成電鉄を吸収合併する予定ですが、当社は事業の独立性を保ち、社名変更のみが行われる見込みです。

京成リテーリングネット株式会社は、グループ再編の中で独自の立ち位置を維持しつつ、京成松戸線沿線の駅サービスを担っています。

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