京王動物園線

京王電鉄動物園線

京王電鉄動物園線は、高幡不動駅から多摩動物公園駅を結ぶ、全長2.0kmの鉄道路線です。全線が東京都日野市内に位置し、駅ナンバリングでは「KO」の路線記号が用いられています。

概要

1964年4月29日に開業した動物園線は、多摩動物公園へのアクセス路線として建設されました。開業当初は、多摩動物公園に加え、近隣の多摩テックへの観光・レジャー輸送が主な役割でした。その後、明星大学や中央大学のキャンパスが相次いで開設されたことで、通学路線としての重要性も高まりました。

しかし、2000年に多摩都市モノレールが開業し、並行路線として中央大学・明星大学駅が開業したことで、動物園線の利用客は減少しました。2009年には多摩テックが閉園し、レジャー需要も低下しました。そのため、京王電鉄は沿線の観光開発を積極的に進め、京王れーるランドのリニューアルや京王あそびの森 HUGHUGの開設など、新たな魅力を創出しています。

高幡不動駅と多摩動物公園駅間の列車本数はモノレールの方が多いものの、運賃は京王電鉄の方が安く設定されています。京王線沿線から多摩動物公園へ向かう場合は、動物園線の方が運賃・所要時間の点で有利です。ただし、多摩動物公園駅では連絡運輸が設定されていないため、モノレールとの連絡定期券を利用する場合は、高幡不動駅が接続駅となります。

動物園線は現在単線ですが、開業当初から複線分の用地が確保されています。かつては、多摩ニュータウン新線（現在の京王相模原線）の延伸ルートとして、多摩動物公園駅からの延伸案も検討されましたが、高幡不動駅でのスイッチバックや急曲線・急勾配の連続により輸送力確保が困難なこと、多摩ニュータウンの東側をカバーできないことから、早期に断念されました。

路線データ

路線距離：2.0 km
軌間：1372 mm
駅数：2駅（起終点駅含む。途中駅なし）
複線区間：なし（全線単線）
電化区間：全線（直流1500 V）
保安装置：京王ATC、速度制御式
最高速度：70 km/h
建設費用：約2億6,400万円（用地費は除く）

歴史

1963年10月：建設工事着工
1964年4月29日：開業
1969年9月28日：220系が運用終了
1996年12月1日：初代5000系が営業運転終了
2000年10月20日：ワンマン運転開始
2002年3月23日：「TAMA ZOO TRAIN」運行開始
2006年9月1日：都営新宿線との相互直通運転開始
2011年3月13日：6000系が営業運転終了
2011年3月28日：7000系7801Fが2代目「Tama zoo Train」に就役
2013年10月10日：多摩動物公園駅に「京王れーるランド」の副駅名導入
2015年3月22日：2代目「Tama zoo Train」の内装を更新し「新Tama zoo Train」として運行開始
2018年3月7日：「京王あそびの森 HUGHUG」オープンに伴い、「Tama zoo Train」の外装ラッピングを更新
2020年2月22日：都営新宿線との相互直通運転を再開
2021年3月13日：京王線・都営新宿線との直通運転を終了。7000系4両編成に統一
2022年12月11日：三沢架道橋の架け替え工事のため終日運休

運転

基本的に全列車が4両編成で運転されます。平日日中は1時間に3本、土休日日中は1時間に5本の列車が運行されます。高幡不動駅では、ワンマン運転列車・ツーマン運転列車ともに1番線に入線しますが、多摩動物公園駅では、ワンマン運転列車は2番線、ツーマン運転列車は1番線に入線します。

車両

7000系：動物園線の定期列車として使用される
5000系（2代目）：ゴールデンウィークなどの多客時に臨時列車として入線
9000系：レール磨き列車として入線することがある

過去には、220系、初代5000系、6000系、8000系などが使用されていました。

TAMA ZOO TRAIN

動物園線では、動物のイラストを車体に描いた「TAMA ZOO TRAIN」が運行されています。初代は6000系、2代目は7000系が使用され、車内にも動物のイラストが飾られています。

駅一覧

高幡不動駅 (KO29)
多摩動物公園駅 (KO47)

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