京都ハリストス正教会

京都ハリストス正教会

京都ハリストス正教会は、京都市中京区に位置する正教会（ギリシャ正教）の教会であり、日本正教会に属しています。この教会は、特に聖堂である生神女福音聖堂が有名で、日本正教会西日本主教教区の主教座[[聖堂]]としての役割を担っています。

歴史

京都における正教会の伝道は1880年代に始まり、当初は大阪正教会の管轄下にありました。1889年には講義所が設置され、その後、モスクワ総主教となるセルギイ・ストラゴロドスキイが1890年から1893年まで京都正教会を牧会しました。また、京都正教女学校も設置されましたが、現存していません。

1906年には、初代京都主教としてアンドロニク・ニコリスキイが着任しましたが、在任わずか3ヶ月で病のため帰国しました。彼は後にボリシェビキ政権によって処刑され、致命者として列聖され、「ペルミの神品[[致命者]]聖アンドロニク」とともに、「初代京都の主教聖アンドロニク」としても敬われています。

現在、京都の主教は日本正教会の首座主教である「東京の大主教・全日本の府主教」ダニイル主代郁夫が兼任しており、京都教会に主教は常駐していません。

生神女福音聖堂

生神女福音聖堂は、1901年に正教会の京都聖堂として建設されました。この聖堂は、亜使徒大主教聖ニコライが宗務局承認の設計図譜から選んだ図案に基づき、京都府技師の松室重光が実施設計と施工監理を担当しました。

聖堂内部を飾る聖障は、ロシアのエパネチニコフ工房が制作し、ロシア正[[教会]]から寄贈された30枚のイコンで構成されています。これらのイコンは聖像画家イリナ山下りんによって修復されました。その他、金属製の凱旋旗はモスクワ・クレムリンの凱旋旗奉仕会、金襴はウラジミル・サポジニコフ、聖器物と聖鐘はワシリイ・ドゥディーシキンらによって寄贈されました。

聖堂内部は精緻で美しく、聖障の木彫り細工と白亜の漆喰壁が調和しています。1903年5月10日には、聖障、教鐘、大燈明などの設置後、成聖式が行われました。

この聖堂は、正統ロシア・ビザンチン様式で建てられ、奥行き27m、最大幅15m、総高22mの規模を持ちます。聖堂内は、玄関、啓蒙所、聖所、至聖所が一直線に並び、平面では十字架を形成しています。

設計：松室重光
竣工：1901年
構造：木造平屋建、下見板張
所在地：京都市中京区
備考：重要文化財

日露戦争時には、東福寺捕虜収容所のロシア兵が聖ニコライの聖像を献納し、感謝の意を示しました。第二次世界大戦中には、聖鐘が供出され、聖障も疎開計画が立てられましたが、終戦により実行されませんでした。しかし、その際に聖像の一部が損傷しました。

宗務局承認聖堂設計図譜集について

19世紀半ば、ロシア帝国の拡張政策に伴い、辺境地にも正教会が設立されるようになりました。地方には教会建築設計の知識を持つ者がいなかったため、宗務局は参考図譜集を発行しました。亜使徒大主教聖ニコライは、1879年の昇叙の際にこの図譜集を入手し、帰国後に地方聖堂の設計に活用しました。

この図譜集に基づく教会は、ロシア国内のロシア・ビザンチン建築の聖堂を簡略化したもので、規模に応じていくつかの事例が紹介されています。基本的には、西から玄関、啓蒙所、聖所、至聖所が一直線に並び、聖所の南北にポーチを配した平面形式を持ちます。建築様式は木造軸組に下見板張り、屋根は鉄板葺きが一般的です。

この設計図譜集に基づいた聖堂は、北欧、シベリア、アラスカなどにも建設され、その一部は現在も残っています。

京都の聖堂をロシア・ビザンチン様式と呼ぶことに疑問が残る一方で、ニコライ堂（1891年竣工）はロシア人建築家シュテュルーポフの設計、コンドルの実施設計によって建てられ、より正統なロシア・ビザンティン様式の建築として評価されるべきでしょう。

交通アクセス

京都市営地下鉄烏丸線 丸太町駅より徒歩10分

関連項目

アンドロニク・ニコリスキイ
生神女福音大[[聖堂]]
クロンシュタットのイオアン

脚注

外部リンク

京都ハリストス正教会
正教京都九州 - ウェイバックマシン
京都ハリストス正教会・生神女福音聖堂 - 西日本主教教区
* Model Plans of Russian Orthodox Church

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